~モグラのフレンズおじさんの話~(6)
メアリー・ポピンズの様子に、ワトソンと呼ばれた黒ずくめの人のような塊が笑ったかのようだった。フード付きのローブに覆われた魔女と、メアリーに呼ばれたそれは、かろうじて口だけ見せるようにして、身体全体を揺らした。その様子から推測してだが。
「メアリー・ポピンズと、名乗るのだから、その程度のゴーストに怖気を覚えるようじゃねぇ、全く、いつになったらこの子らに慣れるんだか。可愛い子たちじゃないかい。……まぁ、良い、面白い素材を連れてきてくれたようだしねぇ」
ふふっ、と、今度は、声に出して笑うと、ワトソンは、フードを脱いだんだ。
フードの下から現れたのは、しわがれた声からは想像することが難しいほどの美貌。
黄色味の強い艶のあるブロンドの髪に、ルビーのように艶を放つ硬質な紅の瞳、血色の悪い青紫色の唇。肌は、貧血症のように血の気がなく白いが、酔っているせいなのか、目尻や、瞼が紅をさしたかのように紅い。 それは、不自然なほどの、奇妙なものを感じさせる人物であると言えたんだ。対峙するだけて、人を奇妙な感覚に誘うんだからな。なのに!やはり、ここでも、モグラのフレンズおじさんは、特に何も感じないようだった。
ふむ、と、少し考えるようにして、ワトソンは、一瞬にしてモグラのフレンズおじさんの目の前に立ち、そのまま顔をくっつくのではないかと思うほどに近づける。その様子は、まるで、巨大な蛇が一瞬で目の前に這いずってきたかのような奇妙さと素早さだ。
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モグラのフレンズおじさんの顔を至近距離でまじまじと見つめたワトソンは、得心がいったようで、軽く頷くと、見えない壁を手のひらで押す。
たちまち、そこは、魔女の家の内で、ワトソンが軽くモグラのフレンズおじさんを押すと彼は、ベッドに転げ、そのまま、眠ってしまったんだ。
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