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ジョン、板挟みになる

 青年騎士ジョンがたまに夜にビーナスの元に訪れる。ビーナスの両親はすっかりジョンのことを歓迎している。お金をちょっとずつ渡しては、ビーナスの手の甲に忠誠のキスをする。女神アフロディーテことビーナスは、青年騎士ジョンの訪れに感謝している。

 悪役令嬢はというと、新人騎士ジョンをいかにして罠にはめようかと作戦を練っている。どうすれば一番にビーナスを苦痛の谷底へと落とせるのか考えに考える。悪役令嬢キャサリンは歯向かったビーナスの苦痛に歪んだ顔が見たい。キャサリンの作戦は数週間に渡って練られた。

「ジョンです。キャサリン様、ご用件とは何ですか?」

 青年騎士ジョンは気が気でない。まさか、バレているのではないだろうか? そうジョンは不安に思う。

「なに、私はジョンを隊長にしたいと思ってね?」キャサリンは予想外の言葉を言った。

「え? 新人の私がですか?」ジョンは驚きを隠せない。

「その代わり、条件があるのよ? それは私と付き合いなさい」キャサリンの恐ろしい計画の一部が見える。

 青年騎士ジョンは考える。もしも、ここでこの話を断れば周囲から不審に思われてしまう。しかし、ビーナスに忠誠を誓っているジョン。まさに板挟みの状態である。けれども、ジョンはその苦い話をのむことにした。

「わかりました、キャサリン様。私は隊長となり、キャサリン様とお付き合いをさせていただきます……」ジョンはそう言ったが、心ではビーナスに忠誠を誓っているのだ。

 悪役令嬢キャサリンはニヤニヤと不気味な笑みを浮かべて、ゆっくりと青年騎士ジョンに口づけを交わした。


続く

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