悪役令嬢キャサリンのお気に入り隊長ジョン
隊長ジョンは騎士団の内の一つの隊を任される。一つの隊は二十名ほどだ。しかし、悪役令嬢の計画に乗せられているとも知らずに。隊長ジョンは城ではこう呼ばれている。キャサリン様のお気に入り、と。だが、ジョンは決してあの小さな女の子、ビーナスを裏切ったわけではない。悪役令嬢キャサリンに恋に落ちたわけでもない。隊長ジョンには一つの誓いがある。それは、悪役令嬢キャサリンからビーナスを救うため。女神アフロディーテことビーナスに忠誠を誓っている隊長ジョンなのだ。
「ねぇ、ジョン? 私のことは好きなの?」キャサリンが甘えた声でそう言った。
「キャサリン様、好きですよ」作り笑顔のジョン。その胸の内は痛めている。
またもや、悪役令嬢キャサリンは隊長ジョンとキスをする。ニヤニヤと不気味に笑うキャサリン。ジョンは心が苦しくなる。
それから昼の農村に一つの隊を率いて、ジョンはビーナスと対面する。ビーナスは表情を崩さなかった。
「ビーナス、来い」隊長ジョンは家で二人きりになる。
それから何も言わずに小さな女の子ビーナスを抱きしめこう言った。
「許してください、アフロディーテ様」
「どうして? ジョン?」
「いつか、悪役令嬢キャサリンを追放させてみせますから」隊長ジョンは罪悪感に包まれている。
「くす、ジョンはよく頑張っているよね。隊長ジョン、偉い偉い」ビーナスこと女神アフロディーテはそう言った。
そして、ジョンは何も言わずに農村から一つの隊を率いて城に戻っていく。
その隊長ジョンの後ろ姿を見て、ビーナスは涙を一粒流した。
続く




