金銭感覚ってなんだろう
宗教国家で、鎖国状態の国の金銭感覚って、判らない。
北の国では、エンゲル係数とかどうなっているんだろう?
どうやら、このランプータンという都市は、自分達の中では国としてあるらしい。
もちろん、周りから見たら、ただの一都市なんだけどね。
ただ、特殊な宗教が主流である事で、周りからは生温い温かい目で見られているらしい。
僕から見たらランプータンの教えは、まるまんまガンジーだ。
非暴力、不服従。
周りの国の邪魔にもならなく、こちらから攻めなければ何もしない。
ただし、攻めたら徹底的に抗戦してくる。
教義の教えも、強制しない。
こういう考えもありますよ、って周りの人に説明するだけだ。
改宗を勧めることすらしない。
本当に、教義を広めたいだけなんだ。
そんな人たちが教義の核を失って、失望していたんだな。
証を持って来れて、本当に良かったと思う。選択の自由さん、ありがとう。
「ツグ殿、確認が取れた。あれは間違いなくランプータンの証だ。持ち帰ってくれてありがとう。商人であるツグ殿に、正当な支払いをしたいのだが、我々にはあれに価格は付けられない。ツグ殿の言い値で払おうと思う。」
ここまで潔い良いと、ボッタクれ無いよ。
「分かりました。価格は私が購入した時と同じで結構です。ただし、特約をつけて頂きたい。」
「なんですか?それは。」
「私達パーティーがこの街に物を輸入した時、この街から物を輸出した時、ギルドカードを見せれば全て非課税にして下さい。せっかく盗賊を退治したのだから、暫くはこの街で行商をしたいと思います。」
「おお、なんと、それはこちらからお願いしたい事です。定期の行商人も来なくなって、交易が絶えている今、行商をして頂けるのなら、関税など取るわけありません。もちろん、この街が裕福になっても、ツグ殿のギルドからは税は取りませんよ。」
都市内限定だけど、王室お抱え商人になった。
さーて、商売始めるぞ。破壊神だけどね。




