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第46話 できること

八月になってしまった。初投稿から約六か月。

ゆっくりしていたらいつまでも終わらないのでサクサク話を進めたいところです。

 翌日俺たちはギルドにDランク冒険者にしてもらいに行った。

「これでお二人ともDランク冒険者としての登録が済みました」

「ありがとうございます」

 ソーシャさんから新しくなったギルドカードを受け取る。以前のEランクカードよりも上質な紙を使っているのかしっかりとした手ごたえが返ってくる。

「お二人はこれからどうなさるつもりですか? まさかとは思いますけど事件に首を突っ込んだりしないですよね?」

「しばらくはゆっくりこの町を見て回ろうと思ってます。首を突っ込もうにも相手が何者か全くわからない以上何もしようがないですよ」

「それならいいのですが、どうか気を付けてください」

 心配されながらも俺たちはギルドを後にした。

「ギルドがかかわってるかわかりませんでしたね」

「そうだな」

 話した感じではギルドが関わっているようには思えなかった。少なくともソーシャさんは普通にこちらのことを心配していたようだった。

「とはいえ、現状ギルドが怪しいということには変わりはないな」

 ギルドが関与してないとはっきりと分かればいいのだが、なかなかそうはいかない。

 ギルドでの会話では何も読み取れなかった。

 ソーシャさんにも言ったが、現状では俺たちが積極的に事件を調べることなどできない。

 ただ、何もできないわけではない。いくつかできることはある。

「それにしても、Dランクなったからには依頼を受けてみたかったです」

「まあ、一週間くらいは我慢してくれ」

 不満げにアドがつぶやく。

 俺たちは先ほどDランクに昇格したが、依頼を受けずにギルドを後にしていた。

「これで俺たちが狙われたら、かなりギルドが怪しいことになる。何しろ俺たちがDランク冒険者っていうのはギルドしか知らないからな」

 ギルドが、俺たちの情報をばらさないとは限らないが、それはそれでここのギルドへの信用は落ちるだけだ。

 Dランク冒険者が狙われるというのにその情報を表に出すのはあまりに愚行だからだ。

 だが、それでも俺たちが一週間以内に狙われればギルドが関与している可能性が高いと言える。

 しかし何もなかった場合、ギルドが容疑者から外れるというわけではない。

 一週間以内に狙うなどという期限があるわけでもないだろうし、ギルド側が冷静に俺たちのことを観察していれば、Dランク冒険者と知っているのがギルド側だけだと気づくだろう。

 結局のところ、あまり意味がない行動ではあるが、何も考えずにDランクの依頼を受け、狙われたときに何もわからないということになるよりはましだと判断した。

 とにかく、一週間は適当に一般人として過ごしてできることをしていくとしよう。


 ギルドを出た後、町を見て回っていると、市場が開かれていた。

「でかい町だけあって、いろいろあるな」

 村とは比べ物にならない品揃えに思わず感嘆の声が出る。

「おお、見たことない野菜がいくつかあるな。この黄色いのはなんだ? この黄緑色のも見たことないな」

 アドに片っ端からどんな食材なのか聞いていく。

「そんな、いっぺんに聞かないでくださいよ。ええと、その黄色いのはたしか、ピュリで、お肉とトマトと煮たのがおいしいです。あと、そっちの黄緑色の「うぉお米! 米もあるぞ!」ちょ、聞く気ないなら聞かないでくださいよ!」

「いや聞く気あるけど、ちょっと米を見てタガが外れた。すまん」

「反省してください。じゃあ、そっちの黄みど「ああ! 大豆もある!」シロキさん! 本当に聞く気あるんですか!」

 うん、正直済まんかった。

 とはいえ、米に大豆があれば調味料を仕込める。一刻も早く、事件を解決したいところだ。

「はぁ。この調子だと、市場を周りきるまでどれだけかかることやら」

 飽きれた様子のアドに返す言葉もなかった。


 さて、市場のすべての商品を見て回り、いくつか食材を買い込んで宿の部屋に戻ってきた。

「それで、シロキさん収穫はあったんですか?」

 アドの疑問は米だとか大豆に対するものではない。

「ああ、市場には毒物はないな。ミントに確認してもらった」

 ミントに野菜、果物に毒物が入っていないか確認してもらったのだ。

 眠いのに、といった様子のミントであったが、市場にある全ての野菜、果物に毒が混入されてないか調べてくれた。

 その結果、毒の混入されている野菜、果物は一切なかった。

「少なくとも無差別に毒を盛ってるわけじゃなさそうだ」

 肉類に入れられる可能性はまだあるが、

「他の場所でも市が開かれてないか、店売りしてないかを調べないといけないですね」

「だな。そっちは頼む」

 俺自身がやれることがなさ過ぎてつらい。

 毒物チェックは精霊たちの仕事だし、聞き込みや調査はアドの仕事。

 俺の仕事は料理くらいだが、それも食材をよく知らないため、出来が悪い。

 自分の仕事を満足にできない現状にため息が出た。


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