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第42話 事件

事件などとありますが、推理物ではありません。

「ここマルケアでは不可解な事件が発生しているニャ」

「事件ですか?」

「事の始まりは、街中で冒険者が急に苦しみだし倒れたことからニャ。外傷がなかったから毒殺だと判断されたニャ」

「毒殺ですか。いやな事件ですね」

「ええ、本当に嫌ニャ事件だニャ」

 アドの言葉にソーシャんさんはうなずく。

「すぐに捜査が開始されたけどどうにも進まニャかったニャ」

「容疑者も絞れなかったんですか?」

「薬剤師ギルドに調査を頼んで調べてもらったんニャが、毒殺だということまではすぐに分かったものの、どんニャ毒が使われたか分からニャかったニャ。少ニャくともこの町に流通している毒物や薬物ではニャいだろうということだったニャ」

「そもそも毒物はそんなに流通してるのか?」

 俺の疑問にはアドが答えてくれた。

「冒険者が使ったりしますね。当然毒を使うと食用にも薬用にも使えなくなるのでめったに使わないですけどね」

「使う時っていうのは?」

「バカみたいに大物が出て町に被害が出そうな時ですかね。毒弓を射るだけで敵戦力をおとせますからね」

 なるほど。素材の価値を落としてでも討伐しなきゃならないときというのはあるのだろう。

「でもこの町の毒物ではないとなると、ほかの町から毒物を手に入れてきたってことになるな。相当計画的な犯行だな」

「そうニャ。この町で買っていた毒であるニャら、この町の薬剤師ギルドに問い合わせれば購入したものが誰かすぐにわかるニャ。ただ、今回みたいにどこで買ったのか分からニャい上に、ニャんの毒かわからニャい。そんニャものをほかの町のギルドに問い合わせてもまともニャ答えは返ってこニャいニャ」

「しかも、どんな毒かわからないとなるといつ毒を盛ったのかも分からないわけか」

「薬剤師ギルドの判断では、被害者が衰弱していたことから遅効性の毒物を長期間とっていたと判断したようニャ」

 遅効性の毒と分かったのはいいが、被害者の足取りを追うのにも限界がある。毒をもった人物の特定はできなかったのだろう。

「それでもこの事件で終わっていれば、まだよかったニャ。このあと第二第三の被害者が同じように出てきたニャ。同じように正体不明の毒物での殺害だったニャ。でもその冒険者たちの共通点が見当たらなかったニャ。出身地も違うし、泊まっている宿や食事の場所もかぶってニャかったニャ。ただ調べていったら分かった数少ない共通点が、ランクがDということだったニャ」

「でもそれだけなら食事に気を付ければいいんじゃないですか?」

「ギルドのほうでもそう考え、食事に注意するように呼びかけたニャ。それでもその後も事件は終わらニャかったニャ」

「無味無臭だと気づくことも難しいしな」

「とはいえ、Dランク冒険者が狙われていると分かったおかげでもう一つ分かったことがあるニャ」

「なんですか?」

「そもそもDランク冒険者を狙うのに毒殺にこだわる必要はニャいニャ。”Dランクニャんて”そんな言い方はしたくニャいけど、実際Dランク冒険者は基礎も何もできてないひよっこニャ。ゴブリンと侮って怪我をしたり、コボルトに刃が立たなくて逃げ帰ったりするニャ。そんニャことが日常茶飯事ニャ彼らを殺すのに毒殺ニャんて回りくどいことをする必要ニャんてニャいんニャ」

「毒殺以外の被害が出てるってことか?」

「そうニャ。調べてみたら依頼中の失踪や依頼の失敗が増えていたニャ」

「毒殺より先には気づけなかったのか?」

「低ランクの冒険者はプロ意識がニャいから、引き受けた依頼を失敗したことを報告しニャいことも、依頼を受けたままギルドに報告せずに他所の町を移ったりすることがよくあるニャ」

 あ、俺もギルドに報告せずにこっちに来たけど大丈夫だったか? まあどちらにしてもアドがいなきゃフォーマの村での報告はできなかったからしょうがない。

「そんニャ訳で、Dランク冒険者の依頼失敗や行方不明は珍しいことじゃニャいニャ。ただ、改めて確認たら最近になって失踪者が明らかに増えていたということが確認されたニャ」

 なるほど、今この町でDランク冒険者になるということは正体不明、しかも手段を選ばない何者かに狙われることになるということか。

「今この町でDランクにニャるということはかニャり危険ニャことだニャ。特に外から来た二人は元からこの町にいる冒険者よりも目立っているニャ。そうなると狙われるかもしれニャいニャ。だからもう一度聞くニャ。Cランクに上げることもできるがどうするニャ?」

 俺とアドはどうしたものかと、顔を見合わせた。


   ☆


 結局のところ、保留ということにさせてもらった。

 Dランクに上がれば狙われる危険があるが、Cランクという身の程に合わないランクに上がるのもそれはそれで危険だ。

 だったらEランクのままにしておくというは一つの有効な手だと思えた。

「うぅ。せっかくのランクアップの機会が……」

 ずいぶんと落ち込んでいるが、アドの実力は間違いなくD以上に上がっているはずだ。

「まあ、そう落ち込むなって、結構いい宿を紹介してもらえたんだし」

「その宿もシロキさんと同室じゃないですか。シロキさんが床ですからね」

「当然だ」

 いい宿、いい部屋であるがベッドは一つ。当然床だ。

「でも、なんで一緒の部屋にしたんですか? ゴブリンの時の報酬があれば二部屋とっても問題ないですよね?」

「正直ここで起きている事件がどこまで正確にDランクを狙っているかわからん。Eランクのままでも万が一がありうる」

「シロキさんは相変わらず警戒心が強いというかなんというか……」

「とはいえ、Dランクが狙われる理由が何もわからない以上Eランクで安心、という訳でもないとはお前も思うだろ?」

「そう、ですね。事件が起きている以上警戒するに越したことはないですね。それにしてもなんでDランクばっかり狙われるんでしょう?」

「そこら辺を少し考えてみるか、何かヒントになることもあるかもな」

 事件解決への糸口を見つけるため、アドとの打ち合わせを開始した。

今回会話文が多いですね。うまく描写を挟めなく、なかなか筆が進まないという。

読みにくい文章になっていなければいいのですが。

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