第43話 考察
2時に間に合いませんでしたが、投稿。
相変わらず短いです。
「アドは今回の事件、誰が何のために起こしていると思う?」
「そうですね」
少し考えた後言いにくそうに答えを出す。
「冒険者、ですかね……」
「まあ、最有力な容疑者候補だよな。邪魔な同業者を減らして仕事を独占する。ありそうな話だよな」
「けど、それだと疑問も残りますけどね」
「?」
「Dランクの仕事は多いですし、そもそもDランクだと仕事を独占したところでうまみはないです」
「なるほど。でもDランクの仕事が滞ったら、報酬が高くなったりするんじゃないか?」
「そうですね。多少上がるかもしれないですけど、少しですよ。大体そうなってたらDランクばかりが狙われていることに早めに気づくと思いますよ」
だとするとやはり冒険者が犯人になるメリットは見いだせない。
「私怨での犯行っていうのも、なさそうなんだよな」
ギルドで聞いた限り、無差別に犯行に及んでいる。本命の犯行をその中に隠している可能性もあるが、リスクを増やすばかりにしか思えない。何しろどうやって毒をもっているか、どんな毒を使っているかもわからないのだ。いたずらに被害者を増やせばその分、ばれるリスクが高くなるだけだ。
犯行動機の方向から探ってもよそ者の俺たちにはこれ以上推測はできそうにない。
「そうすると、どうやって毒をもっているかなんかを考えるべきか」
「でも食べ物飲み物に混入するのはすごく難しいと思いますよ。だって冒険者はたいてい宿屋で食事を取るんですよ。毒を混ぜようとしたら、あやしくて普通ばれますよ」
「宿屋側が一枚かんでいたら、毒を盛れそうだけど宿屋側にメリットないよな」
「客がいなくなりますよね。最悪「あの宿は食事に毒をもった」そんな噂が流れたら宿屋をやっていけないです」
「外食に関しても同じだよな」
「外食だともっと無理ですよ。冒険者がどこで何を食べるかなんて予測できませんから」
「毒を盛るのも困難と」
「冒険者に限らず、無差別に毒をもっているんでしたら話はもっと簡単なんですけどね。食材や水に混入すればいいだけのはなしですから」
「だよな。Dランク冒険者だけ狙うなんて無理だよな。いや……その通りだな」
「シロキさん? 何かわかりました?」
「アド。Dランク冒険者だけ正確に狙うことってできると思うか?」
「現にDランクだけが狙われているんですよね。できるんじゃないですか?」
「言い方を変えようか。どうやってDランクって見分けるんだ? 普通ランクなんて正確にわからんだろ」
「そういわれればそうですね」
「アドが町にいたときは、ほかの冒険者のランクをどれくらい把握していた?」
「所属していたクランの中ならともかく、他の冒険者のことは分かりませんよ。狩場がかぶっていればな大体同じランクだろうとは予想できますけど」
言われて、ほかの冒険者のランクを正確に把握することが思ったよりも難しいことにアドも気づいたようだ。
「だとすると、今回の事件には冒険者のランクを正確に把握することができる人物がかかわっている可能性がある」
「それって、つまり」
「ギルドが裏で関わっている可能性がある」
俺の言葉にアドは息を飲み込んだ。
「まあ、推測でしかないがな。ただ、本当にDランクしか狙ってないとすれば、それを見分けることができないとおかしいのも事実だ」
「でもそうするとなおさらわからないですよ。ギルドにはなんの得もないですから」
「俺たちの想像のできないことが裏であるのかもな。そうだとするとここでDランクになるっていうのは相当やばいことに首を突っ込むことになるな」
DランクとCランクのどちらにになるべきか。いや、
「もういっそのこと別の町でDランクに上がるのが一番いいんじゃないか?」
「え?」
「これがギルドも絡む組織的な犯行なら、俺たち二人じゃどうにもならんだろ。さっさと逃げるのが一番だ」
「でもそれじゃあ、この町を見捨てることになります」
見捨てるっていうのは少し違うような気がするが、正義感の強いアドならそう言うか。
アドのことだ。別の町に行ってもこの町のことを気にするだろう。ならば、
「サクッと解決して終わらせちまうか」
そんなあてなどないが、そうするしかない。
「いいんですか?」
「まあ、解決できなくてやばい状況になっても、ゴコウさんのところに逃げれるからな。どうとでもなる」
我ながらゴコウさんだのみなのもどうかと思うが最終手段があるというの気が楽だ。
「じゃあ、俺たちでDランク事件解決するぞ!」
「はい!」




