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第31話 準備

 そうと決まれば、やることは山ほどある。

 アドにはギルドでの情報収集を頼むことにする。村の外には不測の事態というのはいくらでも起こるが、事前に情報を集めておくことでそれを減らすことはできる。

 俺とアドはまだまだ低レベルで弱いし、武器も大したものではない。

 情報は最大の武器というが、俺たちにとっては最低限必要な武器でもある。

 そういうわけでアドに頼んだわけだが、俺はというと一度ゴコウさんの店に戻って、ポーションを準備していた。

 俺やアドが作ったポーションだけでなく、ゴコウさんが作ったポーションも購入しておく。

 ポーションをケチって死にたくはない。

 さらに念のためにゴコウさんオリジナルの強化薬も買っておいた。

 肉体魔力共に強化する作用があるが、同時に副作用があるので使いどころが難しい。しかし切り札はいくらあっても困らない。

 ポーションを袋に詰めてギルドに戻ると、アドは机に地図を広げて待っていた。

「シロキさん遅いですよ」

「別に何かしてたわけでもないんだけどな」

 おおざっぱな地図であるが、必要な情報はそろっている。街や街道だけでなく、森や川の情報も書かれていたため、俺がこちらの世界に来たときの精霊郷の場所も推測できた。

「職員に聞いたところこの村の周りには三種類の魔物が生息しているらしいです」

「三種類とは少ないな」

 ゴブリンにコボルトが生息していることは分かっている。ほかに何がいるのだろうか。

「以前はゴコウさんが間引いていたからでしょうね。あれだけの実力者に定期的に来られたら魔物もたまったもんじゃないですから、賢い魔物はこのあたりから離れたんでしょう」

「流石にそういった魔物はまだ戻ってきてはいないか」

 昨日ゴコウさんが町に出て行ったばかりだ。ゴコウさんを警戒して離れていたのであればすぐにはこの村の近くに戻ってこないだろう。

「それで、村の北側。こちら側がコボルトたちの住処になっています」

 地図上ではわかりづらいが、村の北側には山脈が広がっている。そこらへんがコボルトの住処なわけだ。

 昨日戦ったのはプチコボルト。プチがつく相手に時間稼ぎで精いっぱいだったのだから、普通のコボルトなど相手にしたくない。

「プチコボルトやコボルトはどれくらいのレベル何だ?」

「硬いですからね。プチコボルトでもレベル5くらいでないと倒せないといわれています。コボルトだとレベル10はほしいですね」

「次にこちら側、東側から南にかけてのこの森のあたり。ここら辺にはガルムのなわばりです」

「ガルム?」

 あまり聞きなれない魔物の名前だ。

「犬の魔物ですね。縄張り意識が強いのでよほどのことがない限り住み着いた場所から離れないことで有名です。何かを守るようにたたずむその姿から地獄の番犬なんて呼ばれています」

 地獄の番犬というとケルベロスを思い浮かべるんだが、どうやら違うらしい。

 まあ、元の世界でもいろいろな神話などに化け物がいるのだ。すべてがこちらの世界と一致するわけではないのだろう。

 ガルムにしてもケルベロスにしても地獄の番犬と呼ばれるからには相応に強いのだろう。

「大体50レベル位だとか言われていますね」

「高いのか低いのか、よくわからんが、ゴコウさんなら余裕だな」

「いや、シロキさんはゴコウさんを神格化しすぎてません?」

 確かに過大評価しすぎかもしれない。

 ゴコウさんの本気を見たことはないし、レベル50の魔物を見たわけでもない。

 ただ、この村ができる前からここに住んでいたということや意思疎通の魔法を長時間使えることから10や20のレベル差ではないのは明確だった。

 俺の見立てだと、純粋なレベルで70以上。レベルに現れない技術的な面を考慮すると100にも届くんじゃないだろうか。

「まあ、ゴコウさんの話は置いておいて、ガルムにあったら逃げるしかないな」

 レベルが少々上がった程度ではどうにもならない。

「ガルムがなわばりから出ることはないので出会うことはないはずです」

「ならいいんだが……。残りがゴブリンか」

「ええ、ゴブリンは大体このあたりに住んでます」

 アドが指さしたのは村の西側。精霊郷の川下のほうだった。

「ゴブリンはレベル3から8くらいが適正レベルとされてます」

 改めて考えるとアドでレベル4、俺がレベル3だと考えるとゴブリン相手にするのは厳しいと思われる。

「……やっぱりやめたほうがよくないか。武器持ちで数が多かったらどうにもならんだろ」

「流石にあの冒険者たちもゴブリンだけは狩っていたようですよ。きちんとギルドに討伐部位を提出していたようですから」

「ならいいんだが」

 あのチンピラたちは本当にまじめにゴブリン討伐をしていたのだろうか。

「きちんと討伐してなければ変異種や進化種が生まれてる可能性もありましたからね。本当によかったですよ」

「その変異種や進化種っていうのは?」

「普通のゴブリンは薄汚れたグレーなんですけど、変異種は色が変わって、進化種は体格が良くなって能力が高くなります」

「何か続々と不安要素が増えているような気がするな」

「普通に間引いていればまず出てきませんよ。出たとしてもその時に対処しておけば増えませんし」

 アドは気楽にそういうが、俺はあのチンピラたちを信用していない。

 本当にきちんとゴブリンを間引いていたのだろうか。

 ウィンドウズ10に勝手にアップデート(再起動)されて、書いてた分が消えました。

 書き直しをしましたが、劣化している気がしてならないです。

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