第三十三話 パンツを脱がせるというプライド
パンツの紐を口で解いてお尻を確認するだけの簡単な作業です。どなたでも参加することが可能ですが、まー君と同等の力を持っているという事が参加条件となります。
そんな条件を満たすものはこの世界にも他の世界のも存在しないと思うのだが、まー君は一応他の人にも呼び掛けてみることにした。
参加希望者はそれなりに移送ではあるけれど、実際に集まることはないと思われる。
なぜなら、まー君が今いる場所に一般の人がやってくることは不可能なのだ。零楼館乳首郎が認めたものであれば入ってくることが出来ると思うけれど、零楼館乳首郎がそれを認めるという事はないだろう。まー君の手助けをするような人を招くことなんて、絶対にありえないのだ。
そんなわけで、まー君はゆかのパンツの紐を口でくわえることになる。
四つん這いの体勢になっているゆかはまー君のことを見ることが出来ず、小刻みに震えていた。パンツの紐をくわえているまー君にもゆかの緊張が伝わってきていて、まー君も若干ではあるがゆかの緊張が移ったのかくわえた紐を引っ張るという事が出来ずにいた。
「お兄ちゃん、今ならまだ間に合うよ。ほら、お姉ちゃんのパンツの紐じゃなくて私のパンツの紐からにしなよ。その方がお兄ちゃんにとっても一番良いとおもうんだ」
ゆいの言葉に何か返そうかと思ったまー君だが、今何かを言えばせっかく挟んだパンツの紐が落ちてしまうと思い思いとどまった。
パンツの紐を離したとしても、もう一度くわえればいいだけの話にも思えるのだけれど、まー君にとって同じ人のパンツの紐をもう一度くわえ直すという事に対して謎の抵抗感があったのである。その正体は不明だが、まー君にとってパンツの紐をくわえ直すという行為に何らかの罪悪感を抱いているという可能性もあるのだ。
「どうしても私よりお姉ちゃんのパンツを脱がせたいって言うんだったら仕方ない。でも、お姉ちゃんの紐パンを脱がせるんだったら紐をほどくよりもいい簡単な方法があるんだから、そっちを試してからの方が良いと思うよ」
「ちょっとゆいちゃん、そんな事をお兄ちゃんに教えたらだめだよ。さすがにそれは私も恥ずかしいし」
「お姉ちゃんが恥ずかしいって思う気持ちはわかるけど、お兄ちゃんのためにもちゃんとした方法を教えてあげるのが大人の女性ってものだよ」
「確かに、大人の女性ならそうかもしれないね。でも、やっぱり恥ずかしいよ」
目の前で四つん這いになっている幼女が自分のことを大人の女性だと思っていることに対して違和感がぬぐえないけれど、身につけている下着だけを見るととても幼女だとは思えない。だからと言って、二人が幼女ではなく大人の女性だという事を受け入れられるわけでもないし、他に納得出来る理由もないのだから信じることはないだろう。
でも、正しいパンツの脱がせ方があるという事は気になるし、それ以上に恥ずかしいと思うような方法だという事がまー君の心に突き刺さっていた。
その方法を聞いてからパンツの紐を引っ張ってみても遅くはないのではないかと考えた結果、まー君はゆかのパンツの紐から口を離してゆいの前に移動していった。
「それで、ちゃんとした脱がせ方って何?」
「え、突然すぎるよ。いきなり前に来られたら緊張しちゃうし、私の顔の前にまー君のまー君があるのってドキドキしちゃうかも」
「え?」
何も考えずに思うがままにゆいの前に移動したまー君だったが、ゆいに言われてれてから初めて気が付いた。ゆいの顔の正面に自分の股間がきているという事に。
慌ててまー君は中腰になってゆいと視線を合わせようとしたのだが、何を考えているのかゆいはまー君の顔ではなく視線を下の方へと向けていた。それを指摘するとおかしな方向へ話が進みかねないと思い、まー君はゆいの行動をいったん無視して話を続けようとした。
最初のうちは会話もかみ合わないことが多かったのだが、少しずつ冷静さを取り戻したゆいはまー君の顔を少しずつ見るようになっていった。
「それで、俺はどうすればいいのかな?」
「お兄ちゃんが選ぶのは次の二つからってことになるんだけど、一つはお姉ちゃんじゃなくて私のパンツの紐をくわえて解くってこと。これが一番簡単でお兄ちゃんもプレッシャーを感じないと思うよ」
「ゆいちゃんが先だろうがゆかちゃんが先だろうが俺にとっては同じもんだと思うよ」
「じゃあ、お姉ちゃんにこだわらないで私からにしてくれてもいいよね?」
「でもさ、男が一度決めたことを曲げるってのはプライドが許さないよね」
「何言ってるのお兄ちゃん。パンツを脱がせることに対してプライドを持つとか意味わかんないよ。そんな事を気にしてパンツを下ろそうとしているのなんて広い世界を探してもお兄ちゃんくらいしかいないと思うよ。だからね、そんなちっぽけなプライドなんて捨てて、私のパンツから脱がせてみようよ?」
確かに言われてみればそうだなと思うのだが、やはり一度決めたことを曲げると言うのは良くないことのようにも思える。
どんな小さなことであっても、嘘をつくという事自体は褒められたものではないと思うのだ。
「ちなみになんだけど、もう一つの方法って何?」
「そうそう、もう一つなんだけどね、それは……パンツの前についているリボンをくわえて脱がすってことだよ。そっちの方が簡単かな?」
「いやいやいや、そっちの方が無理でしょ。前についてるリボンをくわえて脱がせるなんて無理だって。それは冗談にならないでしょ」
「紐をくわえて脱がせるのもどうかと思うけどね」




