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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
夜のちょっとエッチな時間

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第二十九話 不労所得は人をダメにする

 お尻を見るのが先か乳首を見るのが先か、まー君は大いに悩んでいた。

 見せてほしいと素直に言えば答えてくれるような気もしているのだが、ゆかもゆいもこれ以上は自分の手で脱ぐことはないと断言してしまっている。

 いっそのこと、紐パンの結び目を口を使ってほどいてしまおうかとも考えたのだが、それを実行することで失うものが多いような気がして踏み出すことが出来なかった。踏み出したところで、紐をくわえる前に逃げられてしまうような気もしていた。


「ぷりぷりのお尻に触ってもいいんだけど、触った勢いでパンツを脱がせるのは駄目だからね。そんな事をしたら、お兄ちゃんのベッドも壁も全部男色家の皆さんに変わっちゃうんだよ」

「でも、お兄ちゃんがそれを望むのであれば、私たちは拒否せずに受け入れちゃうかも。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)が言っていたけど、お兄ちゃんが女の人に夢中にならなかったとしても男に夢中になればいいかって言ってたし、そっちの方が今のところ可能性も高そうだから、いいかもしれないね」

「いいかもしれないねって、それは良くないと思う。俺は別に男が好きなわけじゃないし、これから先も男をそういう目で見ることはない。こればっかりは変えることが出来ないんだからね」

「そんなに強がらなくてもいいんだよ。今の時代はそう言うことも含めて認められるようになってるんだからね。妖怪の世界でも魔族の世界でもサキュバスの世界でも性の多様性は受け入れられているんだよ」

「もともと人間の世界で始まった文化なんだし、お兄ちゃんがそれを受け入れたところで私たちは変に思うことなんて無いからさ。ね、新時代の扉を開いて文明開化の鐘を鳴らしてみちゃおうよ」


「……いや、そんなこと言われてもしないよ。大体、それをしたところで俺がうまなちゃんとイザーちゃんの枠を零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)たちに開放することもないし。逆にさ、新時代の扉を開いて文明開化の鐘を鳴らしたことによって、より意固地になってうまなちゃんとイザーちゃんを外に出さなくなるって可能性もあるんじゃないかな?」

「あるんじゃないかなって言われてもね。お兄ちゃんが決めることだからゆかわかんない」

「お姉ちゃんがわからないって言うんだったら、当然ゆいもわかんないよ。でもね、お兄ちゃんがそうやって意固地になってうまなちゃんとイザーちゃんを隔離しちゃうのって、二人にとってどうなんだろうって思わないのかな?」


「二人にとってどうなんだろう……か。言われてみると、その考えは今までなかったかも」


 永久契約を結んでいるうまなちゃんとイザーちゃんには何もしなくても毎日大量の支払いが行われているので何も問題などないと思っていた。

 だが、何もせずに魔力を受け取るだけの生活なんて退屈そのものではないだろうか。働かずに対価を得るという行為も最初のうちはいいかもしれないけれど、時間が経つにつれて少しずつ罪悪感に似た感情がわいていって、最終的には何かしたくなってくるかもしれない。

 まー君は過去にとある王国の魔法指南役として雇われていた時に、魔王の呪いによって魔法使いが全員魔力を消失してしまった事件があった。その期間は誰かが魔王を倒すまで二年ほど続いたのだが、魔法指南役の契約が三年間残っていたので契約が満了するまで残りの期間を何もせずに過ごすという事があった。まー君が魔王を倒しに行けば二年も待たずに済んだのかもしれないが、王国を離れることが契約によって禁じられていたためそれもかなわなかった。

 仕事をせずに給料だけもらうという生活はまー君の性格に合わず、別の仕事を手伝おうとしたものの、新たな契約を結ぶだけの余力も魔法指南役の契約を解約することによって支払われる違約金も出すことが出来ない王国の財政は破綻寸前になってしまっていた。

 ただ、魔法使いの消失していた魔力が復活してからの指導はすさまじいものがあり、王国の魔法使いは再挑戦者(リプレイヤー)に匹敵するほどの力を持つようになっていた。

 残された契約は一年にも満たないモノであったが、そのわずかな期間に現役世代を鍛えるだけではなく、後身の育成にも影響を与えるような指導方法を確立したまー君は再挑戦者(リプレイヤー)としてだけではなく指導者としてもその世界で伝説になっていたのであった。

 その時のことを思うと、伝説のサキュバスと呼ばれているうまなちゃんとイザーちゃんを飼い殺しにするのは良くないのではないか。世間の男性のためではなく、二人のサキュバスにとって良くないことだとまー君は思い始めていた。


「わかった。伝説のサキュバスとまで言われた二人に何もさせないというのは良くないことだと思う。だからこそ、俺は今まで以上に必死にならないといけないんだと気付いたよ」

「お、おう。そうだね、それに気付いてよかった」

「じゃあ、さっそくうまなちゃんとイザーちゃんを世間に向けて解放するって宣言しないとね」


「そんな宣言は必要ないさ」

「必要ないって、二人はどうするの?」

「この世界でも契約は絶対なんだよ?」


「だから、俺がこの世界の法律を変えて成人として認められるようにするだけさ」

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