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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
夜のちょっとエッチな時間

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第二十四話 こういうことは大体あいつのせいだ

 人生で大きな壁にぶつかることは何度かある。

 その壁を乗り越えた時、人は自分が成長したと実感することだろう。

 最初のうちは仲間と一緒でも倒せなかった魔王ですら、今は単独で何の苦もなく倒すことが出来るようになっていた。まー君の存在自体が、人間には無限大の可能性があるという事を証明していることになっている。


 だが、今回の問題はそのような経験も積み重ねてきた技術も何もかも必要とされていない全く別の対策が必要になるのだ。

 対策を立てるにしても、何をどうすればいいのか答えが一切見つからない。そんな難問がまー君の前に立ちはだかっていた。


「お兄ちゃんは困っているみたいだけど、手を使わないで私たちの服を脱がせて確かめたらいいんだよ。簡単なことだよね?」

「なんでも出来るお兄ちゃんなら悩む必要ないと思うんだけどな。ほら、早くしないと私たちはお兄ちゃんの邪魔をしちゃうかもしれないよ」

「邪魔はされたくないんだけど。それよりも、手を使わずに服を脱がせるとか意味がわからないんだけど。それってどういう理由で手を使うなってことになるの?」

「どういう理由って、私たちに聞かれても知らないよ。ただ、そう言うことになってるって言われただけだし」

「私たちも色々と制約があって大変なんだからね。好きなことを好きなようにやってるってわけじゃないんだからね。今まではお兄ちゃんが自分勝手に振舞ってきたって話だけど、これからはそう上手くいかないんだからね。って、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)が言ってたよ」


 こんな嫌がらせみたいなことを考えるのは零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)しかいないだろうとまー君は考えていたのだが、出来ることならそうであってほしいと願っていた。

 もしも、ゆかとゆいの服を脱がせるのに手を使うなという条件を考えたのが彼女たち二人だったとしたら、どう反応していいのかわからずに驚き戸惑っていたのかもしれない。今までないくらいに動揺していたと思うし、解決策を見つけることも正解をたずねることも出来ずにこのままここで死ぬまで時を過ごすことになっていたかもしれない。

 そんなわけで、この件に零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)が絡んでいてくれて本当に良かったとまー君は心の底から感謝していた。

 いや、感謝をするようなことではないのだが、それくらいホッとしていたという事も事実なのであった。


「いくら考えてもお兄ちゃんは正解にたどり着けないみたいだね」

「そもそも、お兄ちゃんは私たちの服を脱がせる方法を見つけようとしてないよね?」

「そんな事はないけど。それよりも、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)は他に何か言ってなかった?」

「うーんと、いろいろと言ってたと思うけど、今回の事と関係ないことばっかりだったから覚えなかったかも」

「私もお姉ちゃんと一緒で、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の言葉は何も聞いてなかったな。何か重要そうなことを言うわけでもないし、ろくでもないような事ばかり言ってるからそうなっちゃうんだよね。私たちのことを重要な存在だって思ってないのがまるわかりだし、あっちがそういう態度だったらこっちもそれなりの態度で接しないといけないよね?」

「本当にそうだよね。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)と一緒にいる愛華ちゃんは凄くイイ子なのに、あんな頭のおかしいやつに仕えてるなんて人生損しているんじゃないかな。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)に深く関わっちゃってるお兄さんも人生損しちゃう前に何とかしといた方が良いと思うよ」


 年下の幼女にしか見えない二人からのアドバイスなんて適当に受け流してしまえばいいのかもしれないが、今回の零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)に関するアドバイスはかなり的確だとまー君は感じたので真剣に受け止めることにした。誰一人として零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)のことを本気で真摯に対応していないのは気になるけれど、それなりの態度を捕らえるような事ばかりしかしていない彼が悪いのだと自分自身を納得させていた。


「もう、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の事なんてどうでもいいんだから、私たちの服を脱がせることだけ考えなよ。それ以外の事は邪念だよ。邪念」


 服を脱がせる方法を考えることの方が邪念だと思うのだが、今この状況においては彼女たちの服をちゃんと正しく脱がせる必要があるのだから邪念とは呼べないのかもしれない。それでも、幼女にしか見えない彼女たちの着ている服を手を使わずに脱がせるというのはかなり難易度が高い問題だと思う。

 何が正解で何が不正解なのかすらわからない。

 そもそも、回答できるほどの答えを用意することが出来ていないのだ。

 ここでギブアップして老衰で死ぬのを待つのも一興かもしれない。

 そんな気弱なことを考えているのがバレたのか、ゆかとゆいは少し呆れたようにまー君に近付いてきた。


 ゆいが右手の人差し指をピンと立て、それを自分の唇に押し当てていた。

 ゆいの右手人差し指が自身の唇を押し込む。すると、ぷにぷにとした唇が小さな音を立てていた。


「これがヒントなんだけど、お兄ちゃんはわかるかな?」

「わかってくれると思うんだけど、お兄ちゃんは何を見てるのかな?」


「ゆいちゃんの指と口?」


「そうだね。ゆいちゃんの口を見てるね」

「つまり、お兄ちゃんは手を使わずに、お口を使って服を脱がせたらいいってことだね」

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