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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
夜のちょっとエッチな時間

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第十話 ジャンボパフェと罰ゲーム

 世の中には誇大広告大げさな表現というものはいくらでも存在しているし、様々な世界を渡り歩いてきたまー君はそのようなモノが往々にしてある事を知っている。だから。今回もそうなのだろうと軽い気持ちで考えていた。

 しかし、それはとんでもないミスだったという事に気が付くまでにはそれほど時間を必要としなかった。


 出前を取ると言っていたので案内された部屋に届けられるものだとばかり思っていたのだが、まー君はわかなに手を引かれて別の部屋へと通された。

 先ほどまでいた待合室とは逆の通路を進み、いくつかのカーテンを潜り抜けた先に現れたのはやたらと開放感のある大きな部屋だった。

 天窓があったり大きな窓が外の光を室内に取り入れていると開放感があると思うのだが、天井が高いという事も開放感があることにつながるだろう。この店はやけに天井が高く、三階相当の高さくらいまで吹き抜けになっているので圧迫感は全くないのだ。

 二階も三階も窓が少しあるだけで客席などは存在していない。人が一人通れるくらいの通路と手すりがあるくらいで外の景色を楽しむためではなく、メンテナンスや清掃のために作られている通路なのだろう。

 これだけの高さがある吹き抜けを作るのは客に開放感を味わってもらうためなのだろうか?

 いや、それは違う。本当の理由は、ジャンボパフェを出すために必要なのだ。


「ジャンボパフェを二つお持ちしました。こちらの器は食べられる魔法で作られています。どこからでもスプーンが入るようになっているので上から食べても下から食べても大丈夫ですよ。お兄様は初めてなので戸惑うかもしれませんが、どこから食べてもちゃんとバランスをとって食べやすい形になるようになってますよ。ちなみに、こちらは時間無制限のチャレンジメニューとなっておりますので、お残しになられるようなことがありましたら視聴者様によるアンケートで罰ゲームを行うという決まりになってますからね。では、ごゆっくりお楽しみくださいませ」


 ジャンボパフェと聞いて普通の人が想像するのは大きくても通常の十倍程度だと思うが、今回のジャンボパフェは天井に届くかと思うほど高く、器の直径も丼と同じくらいありそうに見えた。

 季節によっては、クリスマスツリーと見間違えるのではないかと思うくらいに華やかなデコレーションが施され、その一つ一つを際立たせるかの如く魔法で作られた器がキラキラと輝きを放っている。

 そもそも、食べられる魔法というものが何なのか知らないし、害がないものだとは思うけれど、魔法を食べるという事に抵抗はあった。治療や肉体強化のために体内に魔法を取り込むことはあるのだが、魔法に対して食べるという表現を使うことには違和感しかない。

 魔法で出来ている器を使うことによって、どこから食べても崩れることもなく形を保ち続けているのも気になる。食べられる魔法があるのだとしたら、このパフェに使われている素材も全て魔法で出来ているのではないかと考えたが、実際に食べてみるとどれも甘く冷たくくちどけも優しい食べやすい食材ではあった。

 何よりも気になるのは、食べきれなかった時に発生する視聴者が決める罰ゲームという言葉。

 一見すると、このパフェを食べきるという事自体が罰のようにも思えるのだが、一口食べてみるとその美味しさに感動し、二口目に先ほどと違う食べやすさに感動し、三口目にはいくらでも食べられるんじゃないかと思えていた。まー君は余裕をもってパフェを食べ進めることが出来ると確信していた。


「あれぇ、まー君はさっきから食べるスピード落ちてませんかぁ? もしかして、もうお腹いっぱいになっちゃったとか言わないですよねぇ?」

「そんな事はないよ。パフェをあんまり食べてこなかったから味わってるだけだし。こんなにおいしいものがあるんだったら、もっと食べておけば良かったなって思ってかみしめてるだけだし」

「それならいいんですけどぉ、残しちゃったらちょっと大変なことになっちゃうかもしれないですよぉ。ほら、アンケートの一回目の集計ですと“まー君が野良サキュバスと一晩お泊りデート”が一位になってるみたいですよぉ。さすがに生中継はしないと思いますけど、まー君的には良くない結果になっちゃうんじゃないですかねぇ?」

「そんなアンケート無効でしょ。パフェと関係ないし」

「それは大丈夫ですよぉ。だって、このアンケートの回答欄は零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)が決めたものですからねぇ。パフェの代金を払ってもらう代わりに、アンケートを作ってもらうって約束になってますから、安心してくれていいですよぉ」


 そんな決まりがあるなんて聞いてないのだから無効だろうと言いたいまー君ではあったが、この世界では零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の言うことはほぼほぼ絶対なので黙って受け入れるしかないのかもしれない。

 受け入れるしかないとは思うのだが、目の前にあるパフェを食べきってしまえばいいだけの話だ。そんなくだらないアンケートで罰ゲームを執行されるいわれはない。


「もしもですけどぉ。まー君が無理だと思ったときには私が助けてあげますよぉ」

「え、いいの?」

「もちろんですよぉ。私はもう少しで食べ終わりますし、ちょっと食べたりないなって思ってたところですからねぇ」

「それならお願いしちゃおうかな」


「あ、でもぉ、一人で食べきらないとダメなんじゃなかったかなぁ?」

「え?」

「手伝ってもらった時点で、失格になるはずでしたよねぇ?」

「大丈夫。一人で食べるもん」

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