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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
夜のちょっとエッチな時間

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第四話 イザーちゃん参戦

 食事休憩を終えた四人はこのままではらちが明かないという事で、まー君のことをよく知っているであろうイザーちゃんを呼んで五人でお話をすることにした。うまなちゃんを呼ばなかったのは理由があって、夜の時間にまー君を一人だけにすることが契約上出来ないというものであった。


「せっかく呼んでもらったんだけど、私もうまなちゃんもまだまー君と何もしてないんで性癖とかわからないんだよね。それでもいいのかな?」

「大丈夫ですよ。それはこれから時間をかけて知っていけばいいと思ってますし。その時にはイザーちゃんとうまなちゃんにも情報を共有しますね」

「ありがとう、助かるよ。でもね、みんなが思ってるよりもまー君はガードが堅いと思うよ。女の子が夜に襲ってくるときって、かいりちゃんと戦ってた時みたいに自分から確かめに行くように向かって行かないんだ。何がきても全部交わしちゃってるんだよ。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の号令を聞いた野生のサキュバスたちが夜な夜なまー君をわがものにしようと襲い掛かってるんだけど、誰一人としてまー君に触れることも出来ずに散っていったんだ。強さに関係なく、まー君は全てのサキュバスや夜のお姉さんを拒絶してるんだよ。だから、あなたたち四人がどんなに頑張ってまー君を落とそうとしても無理なんじゃないかな」

「いや、私は別にそのレースに参加してないですけど。かいりちゃんとゆきのちゃんと小悪魔ちゃんの三人が頑張るって話なら分かりますよ」


「ええ、せっかくだから愛華ちゃんも参加しちゃいなよ」

「そうだよ。ボクたちと一緒にまー君を落とそうよ」

「意外とその気が無い人の方が落とせるかもしれないからね」

「そんなこと言われても参加しませんよ。乳首郎(ちくろう)もそんなこと言ってましたけど、私は別にそれに従う義理も義務もないですから」

「まー君が小柄な女性が好きってのは胸が小柄って話じゃないもんね」


 裏声だったので誰が言ったかわからないが、胸の話が出たと同時に時が止まった。今までにこやかに受け答えをしていた愛華が真顔になったまま、一人ずつ顔を見て誰が言ったのか突き止めようとしていた。


 愛華の隣にいたゆきのは少しだけおどおどしつつもしっかりと愛華を見つめ返し、自分はそんな事を言ってないとアピールをした。

 そのアピールは成功したようだ。


 ゆきのの隣にいたかいりはまっすぐな瞳で愛華を見つめ、私はそんな事言うわけがないと目で訴えていた。

 その思いは通じ、愛華は視線を小悪魔に向けた。


 小悪魔は視線を愛華に向けることはせず、明らかに動揺した状態のままかいりを見ていた。

 愛華は再びかいりの目を見つめていた。


「かいりちゃん。そういう言い方は良くないと思うな。自分の胸が私よりも大きいからって言って良い事と悪い事があると思うよ。言われた方は傷付くってわからないのかな?」

「え、私は言ってないけど。小悪魔ちゃんの演技に騙されてるんじゃない?」


 かいりは胸が小柄と言ったのはあくまでも自分ではなく小悪魔だと主張している。

 それに小悪魔は反論することもなく、ただただ驚いてかいりを見ているだけなのだ。


「まあ、誰が言ったかなんて気にしてもしょうがないよ。現実は変わらないんだし、真実を受け入れるのも時に必要なことだと思うよ」

「そうだよね。イザーちゃんの言う通りじゃないかな。愛華ちゃんはちょっと気にしすぎなんだと思う。ほら、胸の小さい人が好きって男もいると思うし、大丈夫だって」


 胸の大きいイザーちゃんとかいりの二人に責められる形になってしまった愛華はもう少し反論しようと思っていたけれど、これ以上余計なことを言って議論が進まなくなることを避けようとした。

 その結果、いよいよ本題に入ることになるのだが、その本題も本来の目的からは離れていることになるのでサクッと終わらせることにした。


「じゃあ、誰が言ったかはビデオ確認が終わってから裁くとして、まずはかいりちゃんの攻撃がどうしてまー君に通用したのかって話からまとめようか。ゆきのちゃんと小悪魔ちゃんはその秘密を知っているみたいだけど、結論から言ってもらってもいいかな?」

「えっと、まず初めに訂正しておきたいんだけど、かいりちゃんの攻撃でまー君は結界にぶつかっちゃうくらい吹っ飛ばされてはいたけど、攻撃自体は通用してなかったと思うよ。何度吹っ飛ばされても無傷のまま立ち向かっていっていたからね。攻撃が通用していたらその行動も遅くなったりすると思うんだけど、何の変化もなかったから通用してなかったと思うんだ」

「その辺は訂正してもらってもいいんだけど、今回はあくまでも通用したという仮定でお話を進めようよ。それじゃないと、まー君に何も通用しなくてこれから先に進めなくなっちゃうと思うんだよね」

「そういう仮定で行くんだったらボクからお話しするね。もしかしたら、ゆきのちゃんと見えてる感じが違うかもしれないんで、何か訂正があったらお願いします。ボクが気付いたのは、かいりちゃんがまー君を攻撃している瞬間、刹那にも満たない普通の人間には察知することも出来ない極僅かな時間だけ魔法を使っているという事なんだよ」


「でも、どんなに短い時間であっても魔法を使用したら確実に痕跡が残るはずなのだけど、それがないのはどうしてなの?」


 魔法を使うと必ず痕跡は残る。どんな上位種族であっても魔法の痕跡を完全に消すことは出来ないのだ。

 誰かが計算した理論上の世界では魔法の痕跡を消すことも可能なのだが、そのために必要なエネルギーは全生命体の持つ合計魔力値よりも高くなってしまう。

 つまり、理論上は可能であるが実現不可能な現象だという。

 それに、それほどすごい魔力があるのであれば、痕跡を消すこと自体に何の意味もないという事になるのだ。

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