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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
天空と地上の章

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第六話 九死に一生を得るかもしれない

 主催者である零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)のもとには途切れること無く関係各所から連絡がきているのだが、それに対応することが出来ない危機的状況に陥っていた。

 サキュバス娼館からの猛抗議によってまー君の部屋に入ることが出来なかった男色家の皆さんが大挙して押し寄せ、話が違うのではないかと詰め寄ってきたのだ。その対処に当たっていた男性従業員は一人ずつ零楼館邸にある窓のない部屋へと引きずり込まれていったのだけれど、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)はそれに抗いながらもジリジリと建物の最奥部へと追い込まれていった。


「まー君と一緒に過ごせるって話だったのに、約束が違うじゃないか。この落とし前はどうつけてくれるんですか?」

「俺だってその約束は守りたいさ。でも、サキュバス娼館から物凄く強い圧力がかかっちまったんだから仕方ないだろ。それを無視するともう二度とサキュバス娼館を利用することは出来ないんだから」

「そんなの利用しなくたっていいじゃないですか。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんには俺たちがついているんですから。サキュバスなんかよりもよっぽどいいモノを体験させる自信がありますよ。なあ、みんなそうだよな?」


 男色家たちのリーダーが周りにいる仲間に確認すると、男色家の集団は間髪入れずにそれにこたえていた。その圧力によって零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)はまた一歩後退してしまうのだが、これ以上下がることが難しい状況に追い込まれていた。


「サキュバス娼館を大事にしているのはわかります。零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんも男ですもんね。だけど、勇気を出して今までとは違う世界に一歩足を踏み入れてみるというのもいいんじゃないですかね。男同士じゃないと分かり合えない世界もあると思いますよ。今なら俺たちが順番に相手してあげますし、今はここにいないメンバーも順番にやってくると思いますからね。きっと、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんの人生に新しい彩りを加えてくれると思うんだけどな。今までの人生よりも、ずっとずっと華やかで充実した楽しい時間を送れるようになると思いますよ」

「そうですよ。リーダーの言う通りです。それに、俺たちのリーダーは俺たちと楽しく過ごしてほしいって思っているだけで、こっちの道にどっぷりハマってくれなくてもいいって言ってるんですよ。こっちの世界を体験してからでもサキュバス娼館とよろしくやってくれたらいいんじゃないですかね。もっとも、こっちの世界を知ってしまったら、サキュバスなんかじゃ物足りないって感じちゃうかもしれませんがね」

「おい、あんまり零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんに期待させるようなことを言うなよ。お前はまだ男の本当の良さを知らないだろ。お前が体験したアレはまだ序章の第三節くらいでしかないんだからな。アレの百倍は凄くて頭の中がバグってしまうくらいに凄い体験をすることになるんだぞ。何だったら、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんの寝室を借りて先に体験してきてくれてもいいんだぞ」

「いや、さすがにそれは良くないですって。どうせだったら、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんに俺が気持ちよくなっているところを実際に見てもらって興味を持ってもらいたいっすね。その方が零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)さんも気持ちが変化しちゃうんじゃないですか?」


 今更同意を求められたところで応えるつもりはない。今すぐにでも壁を壊してこの家から逃げ出したいと思った零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)なのだが、残念なことにこの家はミサイルの直撃にも耐えられる設計になっているため、壁を破壊して逃げるということは出来ないのだ。

 強固に作りすぎたことを後悔していたが、そんな事を思っても今更遅い。この場を切り抜ける方法を考えようと思ったのだけれど、少しずつ近づいてくる彼らの視線と息遣いから逃れる方法を見つけることは出来なかった。

 正直に言って、もう諦めるしかないのか。彼らに身をゆだねるしかないのだろうか。そんな事を考えながら壁にぴったりと背中を付けて移動していたところ、思わぬ助け舟が届いた。


「なんか、大変そうになってるんだけどぉ、大丈夫なのかなぁ?」


 自分を取り囲んでいた彼らとは明らかに違う高く透き通った声がしたので零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)は思わずそちらを向いた。

 そこに立っていたのは、サキュバス娼館支配人代理であるわかなだった。

 男色家の皆さんもわかなの姿を見て何か危険だと感じたのか詰めていた距離を少しあけると、二人の様子をじっと見守っていた。自分たちに危害が及ぶかもしれないと感じた彼らは、今までになく慎重に行動していた。


「大丈夫ではないんだけど、急にどうしたのかな?」

「急にって言われてもぉ、こっちの連絡を無視されているから気になっちゃってぇ、ここまで来ちゃったって感じなんだけどぉ」

「連絡? ああ、ごめんごめん、ちょっと立て込んでて確認するの忘れてたよ。それで、どんな用事だったのかな?」

「別に急ぎではないんだけどぉ、今日まー君と戦うことになったゆまちゃん?だっけぇ、彼女とまー君を戦わせるのってぇ、中止に出来ないかなって思ってぇ、相談に来たって感じなんだよねぇ」

「今から中止ってのは難しいんじゃないかな。ここにいる人たちは別として、みんなゆまちゃんの事を見たいって思ってるだろうからね。それに、ゆまちゃんがいくら魅力的だったとしても、さすがにあの子じゃまー君には勝てないと思うよ」

「そうじゃなくてぇ、勝つとか負けるとかの問題じゃないんだよねぇ。もしも、まー君がゆまちゃんと戦ってぇ、精神を支配されちゃったら大問題になっちゃうとおもうだけどぉ、乳首郎(ちくろう)はそれを考えてないのかなぁ?」

「さすがにまー君を精神汚染することは出来ないと思うんだけど、わかなちゃんがそう思って事は何か思い当たる節があるってことだよね?」


「ううん、そんなのはないよぉ。ただの、女の勘ってヤ・ツ」

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