表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/156

八月二三日⑧

 待合室では、泥酔して暴れていた年配の男が、ちょうど矢部にスタンガンで倒されたところだった。矢部は春海から注射器を受け取ると、無造作に腕に刺した。そして周りの患者に、その男を長椅子に寝かせるよう指図した。

「全く今日は忙しくてかなわんな」矢部はうんざりした表情で医療用の手袋を外した。そして椅子に腰掛けるとタバコに火をつけた。

「どうだった。元気になってただろう?」

矢部は本橋の方を見た。

「ああ。先生、なんか手伝おうか?」

「馬鹿。お前なんて邪魔しかできないだろう。今日は忙しいから帰れ」

矢部は、そう言うとタバコを持った手で本橋を追い出すような仕草をした。

「明日も仕事だから、無理せず帰りなさい」

本橋は春海に促され、一礼すると診療所を後にした。それから診療所からそう遠くない場所にある酒屋に寄り、店主に金を渡すと、進藤綜合診療所にサッポロラガービールを三ケース届けるよう依頼した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ