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八十五話 むっすぅぅぅ!

 学校が終わり、部屋に着きました。


「しかし、どうしたものでしょう…………」


 お母様への相談はタメにはなったものの、具体的な解決には至りませんでした。とりあえず、次は未亜に…………


「はっ」


 未亜よりも適任な方がいらっしゃるではありませんか!春原君が!確か相談に乗ってくれると言っていたはずです!


「『少しお時間よろしいでしょうか』……っと」


 私がチャットを送ると、間髪入れずに返信が来ました。


『いいよ、なに』

『男性は、プレゼントをもらうならなにが一番嬉しいのでしょうか』

『俺なら好きな子から貰えるならなんでも嬉しいよ』


 あっ私これ知ってます社交辞令って言うんですよね!あと、テンプレート?でしたっけ?


『でも、人によるんじゃないかな』


 確かに、そうですね…………


『相手に聞いてみるのもアリかも知れない』


 あ、それです!


 『ありがとうございます!』と、チャットを送ってすぐに隣の部屋に向かいます。


「はーい」


 私がインターホンを押すと、『はーい』という声の後にドアが開き、向こうから彼が姿を現しました。


「どうしたの白撫さん、もう勉強始める?」

「いえっ、その」


 誕生日なのですが、と言おうとして私は固まります。相手にあげるものを相手に聞いていいのでしょうか?サプライズの方が喜ぶ?いえでももう誕生日会は決まったわけですし、いやいや……あれ?なんだかわからなくなってきました……


「あの、し、白撫さん?」

「…………あっ」


 気がつくと、私は一ノ瀬君にぴったりとくっつき、至近距離で彼の目を見つめていました。


「い、いえ!す、しゅみません!」

「あ、う、うん……?」


 あ゛ーごめんなさいごめんなさいごめんなさい!か、顔は真っ赤でしょうね……見せられない……

 顔を隠すためにうずくまります。


「え?白撫さん?ホントに大丈夫?」

「は、はいぃ…………」


 あああああぁぁ〜…………


「えっと……」


 うぅ……でも、こんなことをしていては埒があきません!単刀直入にズバッと聞きましょう!


「あの!一ノ瀬君!お誕生日プレゼントはなにを御所望でしょうか!」

「へ?」

「なんでも言ってください!」


 少し入手困難でも、お父様に相談すればいい話ですね!


「ねーりょーくん遅いよー?」

「…………え?」

「あ、白撫さんだー!あとで呼びに行こうと思ってたんだー!で、なにしてるのー?」


 そ、それはこちらのセリフですが!


「あ、うん。なんか、誕生日なにが欲しいって聞かれたんだけど…………」

「私も知りたいなー!」


 な、なんなんなん!なんですかぁ!もう!なんかイライラしますね!


「そうだなぁ…………一番欲しいのは、人生の最適解かなぁ……今の僕の解答解説があれば困らないんだけど……」

「なにに困ってるのー?」


 むっすぅぅぅ!


「って、白撫さん?なんか怒ってない?」

「別に!そんなことありませんけど!?っていうか一ノ瀬君なんてずっと間違えてればいいんです!ではまた後で!」


 なんですかもうっ!

不憫春原君。

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