六十八話 え゛っ
「よーし…………じゃ、次はどうするよ?」
パンケーキを食べ終えて店を出ると、翔太がそんなことを言った。
「んー、みんなで回る?それとも、組み合わせ変えて回る?」
「ま、全員で回ろうや。個人的に大人数のが楽しそうだったし」
遠くを歩いている五人ほどのグループを眺めながら翔太は言う。
「私はそれでいいよー!」
「私も……それでかまいません」
「俺もいいよ」
相模川さんが賛成すると、白撫さんも春原君も続いた。
「僕もそれでいいかな」
「むぅ…………りょーくんがそういうなら、私もそれでいいよ」
若干不服そうな小鳥遊さんも賛同してくれ、僕らは六人で行動することになった。
「で、どこいく?」
「私あそこ行ってみたいなー!」
そう言って相模川さんが指さしたのは、『absolute fear』というアトラクション。明らかにお化け屋敷だ。
「いいね」
そう言って僕らは歩き出したものの……どうしてだろう、白撫さんと小鳥遊さんの表情が固い。目は死んでいるし足取りも重い。
「もしかして二人とも、怖いの苦手?」
僕は立ち止まって二人に聞く。
「いえ別に」
「そんなことないよ」
「あ、そうですか」
すると、彼女らは僕の声に被せるように早口で言った。が、声に感情がこもっていない。あと、マナーモードみたいに小刻みにぶるぶる震えてる…………本当に大丈夫かな?
そんな心配をしていると二人もお化け屋敷に向けて歩き出した。
建物が徐々に大きくなってくる。お屋敷っぽい建築で、外見からして西洋のホラーのようだ。たぶん、ゾンビとかが出てくるんだろう。
「おお……」
正面までくると、翔太は感嘆の声を上げた。
「なんか、雰囲気あるねー!」
相模川さんが両腕をぶんぶん振りながら言う。ホラー好きなのかな?
「じゃ、入ろうか」
僕がそう言うと「よっしゃー!」と言って相模川さんが先陣を切って入っていく。その次に翔太と春原君が入っていき––––
「わ、私、ちょっと調子が悪いのでお手洗いに…………」
「あ、わ、私も行こうかなぁ〜……」
「……そっか」
せっかくみんなで遊びに来てるんだから、全員で入りたかったけど…………調子悪い、もといホラーが苦手ならしょうがないよね。
「じゃあ、後で出口付近で集合ってことで……」
「う……や、やっぱり私も」
何を感じたのか、白撫さんが慌てて話し始めた。そして、それと同時に入口から三人が出てきた。
「ん?どうしたのみんな」
「やー、完全に忘れてたんだけどさ……そこの受付で予約しとかないと入れないんだよな」
「あ、そうですかなら入れなくても仕方ないですね!」
「そうだねいやーお化け屋敷入りたかったなー残念だなー!」
それを聞いた翔太が、ふっと笑ってポーズを取った。なんだそれかっこ悪いな。
「そう言うと思ってだな……予約、取っといたぜ!」
「「え゛っ」」
二人の顔が、引きつっていた。




