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六十九話 お化け屋敷①

 それからちょろっとお土産コーナーを見たり、建物の写真を撮ったりして時間を潰していると、すぐに予約していた時間がやってきた。ちなみにこの間、僕と白撫さんの間には妙な距離感があって全く話せていない。


「じゃあ行こうぜ」

「おー!」


 待ってましたとばかりにワクワクの表情で入る翔太と相模川さん。春原君は無表情で、残りの二人はやっぱり目が死んでる。色々と大丈夫だろうか。


 中へ入ると、少し説明があった。

 どうやら迷路になっているらしく、人によっては時間がかかるらしい。そこで、一人一つ防犯ブザーのようなものを渡された。これについているボタンを押すと、キャストさんが出口まで案内してくれるとのこと。


「では、いってらっしゃーい!」


 キャストさんに見送られながら、僕らはドアの向こうへ入っていった。


「ひっ」


 開幕、冷風を僕たちが襲う。

 今は横に二列で左側に前から順に翔太、僕、白撫さん。右側に相模川さん、小鳥遊さん、春原君だ。


「ゔゔゔぅぅ…………」

「ひいっ!」「ひんっ!」

「ごふっ」


 近くからゾンビの呻き声が聞こえてきたと思ったら、今度はいきなり右腕と背中に攻撃を受けた。


「な、なにが……」

「うう…………」

「ふええ…………」


 犯人は小鳥遊さんと白撫さんだった。


「だ、大丈夫……?」

「はっ……大丈夫、大丈夫でしゅ」

「…………いやーんりょーくん、こわーい!」


 白撫さんは慌てて離れ、小鳥遊さんはここぞとばかりにくっついてきた。


「ッ…………」

「小鳥遊さん、自分で歩いて……」

「…………ちぇ」


 僕が言うと、小鳥遊は渋々離れてくれた。


「あ、扉だ。開けるぞ」


 先頭に立っている翔太が正面のドアを開け、中に入った。僕を含める他五人も、続いて入っていく。


「うおお……なんか、寒いな」

「ほんとだね……」


 先ほどまで歩いていた廊下とはうってかわって冷気が渦巻いている。

 そうして辺りを見渡していると。


––––––プシューッ!


「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「うそんっ!」


 後ろと右から、僕を真下に引き摺り込もうとする力が二つ。僕はなんとか耐え、その場に立っていることに成功した。


「はあ、はあ……」

「………………………………すん」


 今度も犯人はやっぱり小鳥遊さんと白撫さん。二人とも地べたにぺたりと座り込んでいる。暗闇なので表情はよくわからないけど、声からして小鳥遊さんは息を荒くし、白撫さんは虚無の境地に至っている。


「二人とも、大丈夫?」


 僕が手を差し伸べると、二人はさっきとは違い無言でふるふると首を横に振るだけだった。


「はは…………」


 リタイアはできるのかな、そう考えつつ二人を立たせる。


「…………大丈夫か?」

「な、なんとか」

「…………大丈夫です」


 翔太が振り返って尋ね、二人はそれに答えた。


「で…………三つ、扉があるんだが」

「分かれ道ってやつだねー!迷路だし、この三つのうちのどれかが正解って感じなのかな?」

「んじゃ、手分けして行くか」


 僕らは円になる。


「どうやって決める?」

「そりゃ、グーチョキパーで」

「ばっかお前、それは地域で差が激しいんだぞ?ローカルルールで世界戦争巻き起こせるレベルだぞ?大富豪にも引けを取らないレベルだぞ?それでもやると言うのか?」

「うんごめんよくわかんないけど僕が悪かったよ」

「わかればよろしい」


 で、なんやかんやあって、組み合わせが決まったんだけど…………どうしてこうなった?


「よ、よろしくね白撫さん」

「え、ええ、よろしくお願いします……」


 気まずいっ!

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