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三十四話 一日目夕飯①

「おーい良夜ー」


 ふと声をかけられ顔を上げると、目の前には時計。


「んっ?」


「いや、『んっ?』じゃねえよ。今八時半だよ。お前大丈夫か?すげえ集中してたけど」


 もうそんな時間だったのか。集中って怖いなぁ。


「ごめん、気付かなかった」


「まあいいけどさ。みんな七時半ごろに勉強終わって、もうすぐ飯にするかって話してんだけど、どうだ?」


 夜ご飯か。そう思って部屋を見渡すと、そこに二人……いや、三人の姿はなかった。


「他は別の部屋だ。荷物の整理してくるってよ」


「ああ、そっか。じゃあ、それが終わったらご飯にしよう」


 翔太にそう言ってから、勉強道具を片付ける……うわ、消しカスこんなに出てたのか。きがつかなかった。


 それから、少し翔太と話しているとドアをノックする音が聞こえた。


「はーい」


 ドアを開けると、そこにいたのは案の定、白撫さん、相模川さん、翔太のお姉さんの三人だった。


「あ、一ノ瀬君。勉強は終わったのですか?」


「うん、ちょうど今」


 それを聞くなり、相模川さんが飛び上がるようにガッツポーズを繰り出しながら言う。


「いよっし、ごはんごはーん!」


 わー、げんきだなー。


「あ、そ「あ、そうだ。飯、部屋か下か、どっちにするんだ?」


 翔太が、お姉さんのセリフをとるように……いや、った。


「んあー!私の台詞でしょー!」


「しらんしらん」


 二人が騒ぎ始めたところで、白撫さんと相模川さんを中に入れて、ドアを閉める。


「うるさいのはほっとこうか」


「そうですね」


 三人で机の前に座る。


「で、どーするの?夜ご飯」


「一度ここで食べてはみませんか?それで、よかったらまた部屋で食べる、といった感じで」


「そうしようか」


 でも、どうやって頼むんだろう。下に言いに行くのかな。


「……あっ、電話あるじゃん」


 僕の右後ろの角に机があり、その上に設置してあった。僕は近寄り、引き出しを開けてみる。すると、中には『電話のご利用について』と書かれたパンフレットのようなものが一冊入っていた。


「えーっと……うん、電話すればいいみたいだ」


 五人分でいいのかな?


「白撫さん、外の二人連れてきてもらえるかな?」


「分かりました」


 白撫さんがとてとて、とドアの方まで行き、


「入ってください。あと、他の方に迷惑なので静かにしてください」と二人を部屋に入れた。それを見て、僕は電話をかける。


「もしもし……はい、はい、はい。五人分で。はい、ありがとうございます」


 どうやらどの部屋から電話がかかってきたのかがすぐにわかるようで、おばあちゃんに「翔太のお友達かねぇ」「ごはんかい?」「今から?」『何人で食べるんだい?」と、もはやお友達のような口調で言われた。フレンドリーすぎんでしょうが。


「ご飯頼んだいたよ。少ししたら来るから、机開けといてって」


「りょーかい。つっても何にも置いてないけどな」


 確かにそうだったわ。


「じゃ、それまで荷物の整理でも……」


「待って待って」


 しようとしたところで、相模川さんが制止した。


「ん?なんで?」


「いや、下着とか出すでしょ?」


 うっ、そうだった。ちらっと白撫さんの方を見ると、何度も向けられて少し慣れてきたジト目。


「ごめん」


「よし、許そうじゃないか」


 えへん、と相模川さんが腰に両手を当てた。なんで偉そうなの?


「じゃあ、荷ほどきするときは私も呼んでね?」


 白撫さんの隣に座っているお姉さんが僕に言う。え、なんで?恥ずかしいから嫌なんですが。


「えーっと、ちょっと無理です」


「なんで引き気味なのっ!?」


 こっちはなんでそこで驚くのって聞きたいよ。




 それからもバカっぽい会話を繰り広げていると、ドアがノックされた。


「お食事をお待ちいたしました」


「ういっす」


 一番ドアに近い翔太がドアを開ける。


「失礼いたします」


 入ってきたのは二人の和服姿の若い女性。そして後ろには、ワゴン。車じゃないからね。


「ねえねえまどか、あれ、なんて名前だっけ?」

と、相模川さんがワゴンを指差しながら聞く。車じゃないからね?


「ワゴンですよ」


「んっ?それって車の名前じゃなかったっけ?」


 車じゃないっ!!


 当然のことだけど、僕の心の叫びは相模川さんには届かなかった。そしてその間に、部屋の中にワゴンが入る。


「失礼いたします」


 そう言うなり、彼女らは徐に机をどかし始めた。えっ?何やってんの?

そして、ワゴンから五枚の大きめの板を取り出し、僕らの傍でそれを組み立てた。どうやら小型の机になるらしい。人類も進歩したもんだ。

 その次に、元々机があったところの下にある板を外した。すると、そこには囲炉裏があった。ナニコレスゴイ。


 それからなんやかんややってて、少し経つと準備は終わったようだった。


「では、ご利用方法の説明をさせていただきます」

と従業員さんが説明しようとすると、

「あ、もう知ってるんで大丈夫です」

と翔太が遮った。


「おい、見てみろ。寂しそうな顔してるじゃないか。説明させてやれよ」


「えっ、もう知ってるからいいだろ」


 そういう問題かなぁ!?


「……失礼いたしました。では、お食事が終わりましたら恐れ入りますがまた電話をお願いします。従業員が食器などを取りに伺いますので」


 おけおけ、了解した。


「あと、もう一点。ご様子を見る限り、まだご入浴はされてないようですので、もしよろしければご入浴されている間にお布団の準備をさせていただきますが、いかがいたしましょう?」


「あ、こっちでやるんで大丈夫っす」


「おい、寂しそうな顔してんだろ!」


「いや、勝手に入られたくないじゃんかよ」


 まあ、それはそうなんだけどさ。


「……失礼いたしました。一階カウンターにて浴衣の貸し出しも行っておりますので、ご入用でしたらお申し付けください。では、ごゆっくりどうぞ」


 終始、寂しそうな顔をした従業員さんだった。可哀想に。


「んじゃ、食うか」


 そう言うと、翔太はワゴンから串に刺さった魚を取り出す。見たところ、鮎なんだろう。囲炉裏で鮎か。なんだか、風情がある。


「どうするの?これ」


 相模川さんが翔太に聞く。顔に『ワクワク、ワクワクっ!早く教えろよ、このやろー!』って書いてある。


「あー、普通にここに挿すだけだ」


 翔太は、とんとんと囲炉裏の灰を押す。


「たのしそー!やりたいやりたい!一尾ぷりーず!」


「ほいよ」


 翔太から鮎を受け取った相模川さんが、大きく振りかぶってから––––ぐっ、と刺した。振りかぶった割に、優しい手つきだった。


「んじゃ、刺してくか」

ここまで読んでいただきありがとうございます。


どーも、最近喉の調子が戻ってきて嬉しい村人Bです。

僕は今、とても焦っています。


火曜日、小テストなんですけどぉ!?

英単語の小テストなんですよぉ!?助けて、ドラえもん、あんぱんまん、ウルトラマーン!


こっころのなかっ

うーまれて

うーるーとーらーまーん


はい。すこしの現実逃避でした。ありがとうございました。


そういえば皆さん、気付いてますか?えっ、気付いてない?まったく……教えて欲しいですか、そうですか。しょーがないなぁ!特別に教えてあげようじゃないですか!


僕、前は一文ごとに改行してたんですよ。それを、減らしました!


いえい!かしこい!てんさい!むらびとびー!


ということで( ˙-˙ )

少し進歩した村人ですが、小説家としてはまだまだひよっこの前の卵の殻のやや下辺りでございます。

間違っていることが多いと思いますので、"おかしかったら"「おい村人ここちゃうぞコラ」って教えてください。あと、"お菓子買ったら"僕にください。


では、寒いダジャレをそっと添えたところで今回はおしまいです。ばいばいヾ(・ω・`)

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