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家出
偶々連続で。書き出しって難しい…
物心付いた時にはお付きのメイドさんが居た。住処は屋敷。領地は広大、毎日フルコースとこの世界でも屈指の大貴族の長男として生まれた俺は、今の所順風満帆の人生を歩んでいた。
一つ、誰にも言えない秘密を持っていることを除いて、だが。
「よし…と。ありがとう、もう下がっていいよ」
メイドさんに礼を言い、身仕度を終え部屋を出る。
俺は今日、順風満帆な生活に別れを告げる。家出というやつだ。
無責任なことも、家族に迷惑をかけることも分かっていたーーーただ、それを置いても、確認しなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことがあったのだ。
最低限の持ち物…お金と、飲み物と、食べ物が少し。それだけ持って俺は外に飛び出した。
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そして、今。
俺は迷っていた。
よく思い起こしてみれば、俺は生まれてこの方一度も一人で外に出たことが無い。
地図も無く、こうなるのは必然だったのだ。
「くそ…」
自分のポンコツ具合にいじけつつ、仕方がないので勘だけを頼りに歩いていると。
「ぐあああああ!?」
と、悲鳴。
不謹慎だが、俺に取ってこれは福音。
ーーー隠者でもなければ、最寄りの街の場所くらい分かるはず。
急いで助けに向かうとーーー
そこに居たのは、死にかけの傭兵らしき男と
巨大な竜だった。




