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闘争、逃走
ーーー竜。
端的に言えば、それは生物の頂点である。巨体に加え長い尻尾、鋭く強大な鉤爪、大きな顎門に、そこから放たれる灼熱の息吹。
龍、という例外はあれど、おおよそ全ての生物を食物とする王者。
人間も例外でなく、もし相手取ろうとすれば"英雄を帯びた者"か大隊単位の武装した兵士が必須。
それはつまり、このままでは傭兵が死ぬということで。
「くそったれーーー」
ーーー俺なら、彼を"助けられる"ということ。
走り、傭兵と竜の間に割り込めば、何かを持つように右手を構え。
獲物が増えたと言わんばかりに喜ぶ竜。その足は獲物を押し潰さんと迫るが
「ぐぎゃあああああああああ!?」
悲鳴を上げたのは、竜。
その足には、投槍が深々と刺さっており。堪らず体勢を崩したたらを踏む。
「なっ…あんた、一体?」
俺は大事ない傭兵に内心安堵しつつも竜に背を向け。
「いいから、早く逃げるぞ!」
一目散に走り出した。




