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第二話 脱出大作戦!

はじめまして、大森林総史です。

本能寺の変の黒幕って誰なんだろう?

そんな疑問から、歴史パロディを書いてみました。

宜しければ、お読みいただけると嬉しいです。

 燃え盛る、ほんのーじ。


 柱は燃え落ち、天井からは火の粉が降り注ぐ。


 そんな中――


「怖いよ〜!」


 のだおぶながは、半泣きだった。


「ほんとにこの人が歴史に名を残す英雄なの……?」


 コヨミは頭を抱えた。


 目の前にいる男は、教科書で見た威厳ある姿とは程遠い。


「だって怖いものは、怖いんじゃもん!」


「語尾がおかしいです!」


「死ぬんじゃぞ!?」


「それは分かりますけど!」


 のだは、涙目で刀を抱きしめた。


「熱いし!」


「はい」


「煙いし!」


「はい」


「首斬るの怖いし!」


「はい」


「助けてほしいし!」


「最後だけ素直ですね……」


 コヨミは深いため息をついた。


 そして気を取り直す。


「何か抜け道とか無いんですか?」


「無い」


「即答!?」


「みっちゃんは優秀じゃからのう……」


 のだは遠い目をした。


「みっちゃんって?」


「明智のみっちゃんじゃ! 我が優秀な自慢の家臣じゃぞ! わっはっはっ⋯! くすん⋯」


「謀反を起こされたんですよね?」


「うむ⋯ほんのーじは、一万三千の兵に囲まれておる」


「一万三千……」


「うむ」


「こっちは?」


「百人くらい」


「終わってますね」


「終わっとる」


 二人は揃って肩を落とした。


 沈黙。


 火が燃える音だけが響く。


「……詰み?」


 コヨミが聞く。


「詰み」


 のだが答える。


「死にたくないよ〜!」


「泣かないでください!」


 コヨミは思った。


(歴史ってもっと格好良いものだと思ってた……)


 その時だった。


 コヨミは閃いた。


「そうだ」


「ん?」


「タイムマシン!」


 コヨミは懐から小さな装置を取り出した。


 ボタンを押す。


 ピピッ。


 すると何もなかった空間が歪み始めた。


 やがて銀色の乗り物が姿を現す。


「な、なんじゃこれ!?」


 のだが飛び上がる。


「未来の乗り物です」


「未来!?」


「はい」


「怪しい!」


「炎上してる建物の方が怪しいです!」


 コヨミは即座にツッコんだ。


「でも怪しい!」


「乗らなきゃ死にます!」


「うぐっ!」


 のだは燃える天井を見上げた。


 天井が崩れ始めている。


「ほら!」


「むう……」


「早く!」


「分かった!」


 ようやく立ち上がるのだ。


 その時だった。


 コヨミは、ふと外に目を向けた。


「あれ?」


「どうした?」


「今……誰かいたような……」


 炎の向こう。


 一瞬だけ。


 黒い影が見えた気がした。


「誰か?」


 のだも目を凝らす。


 しかし、もう何も見えない。


「気のせいかのう」


「でも確かに……」


 暦は首を傾げた。


 その影は、ほんのーじを見下ろすように立っていた。


 まるで――


 全てを知っているかのように。


「おーい!」


 のだの声で我に返る。


「早くせんと本当に死ぬぞ!」


「あっ!」


 コヨミは慌ててタイムマシンへ飛び乗った。


 のだも続く。


「本当に大丈夫なんじゃろうな?」


「たぶん」


「たぶん!?」


「大丈夫です!」


「根拠は!?」


「おじいちゃんです!」


「不安しかない!」


 ピカッ!


 タイムマシンが光を放つ。


 そして次の瞬間――


 二人の姿は燃え盛る、ほんのーじから消えた。


 一方その頃。


 炎の向こう側。


 誰もいなくなった本堂を見つめる影が一つ。


「……やば!」


 その人物は静かに呟いた。


「れきしが、かわったかなぁ⋯」


 そして闇の中へと姿を消した――。


 その人物こそ、


 本能寺の変、最大の秘密を知る者だった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次話は8/15 20:00に投稿予定です。

続きも読んでもらえると嬉しいです。


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