第一話 燃えるほんのーじ
はじめまして、大森林総史です。
本能寺の黒幕って誰なんだろう?
そんな疑問から歴史パロディを書いてみました。
宜しければ、お読みいただけると嬉しいです。
「本能寺の変の黒幕って、結局誰なんだろう……」
史実暦(しじつこよみ:以下コヨミ。女子高校生で主人公)は、図書館の椅子に座りながら呟いた。
読んでいるのは戦国時代の本。
その中には、ある有名な一文が書かれていた。
『織田信長の首は発見されなかった』
「うーん……」
明智光秀が犯人。
そこまでは分かる。
しかし、黒幕説は山ほどある。
豊臣秀吉。
徳川家康。
足利義昭。
毛利輝元。
本願寺顕如。
挙げればきりがない。
「気になるなぁ……」
そんな事を考えながら家へ帰った。
そして――
「おじいちゃん! 本能寺の変の黒幕って誰だと思う?」
祖父は振り返った。
白衣。
ゴーグル。
怪しい機械。
どう見てもまともではない。
「よし!」
「はい?」
「調べてこい!」
「はい?」
「完成したぞ! タイムマシンじゃ!」
「はいぃ!?」
コヨミは頭を抱えた。
十分後。
コヨミはタイムマシンに押し込まれていた。
「待って! 準備とか心の整理とか!」
「若いうちは勢いじゃ!」
「説明!」
「行ってこーい!」
「おじいちゃあああん!!」
ピカッ!
視界が白く染まる。
そして――
気付けばそこは炎の中だった。
「熱っ!?」
周囲は火の海。
木が燃えている。
天井も燃えている。
煙も凄い。
「ここどこ!?」
だがすぐに気付く。
「いや本能寺じゃん!!」
その時だった。
奥から声が聞こえた。
「人間五十年……」
コヨミは振り返る。
そこには男がいた。
立派な着物。
威厳のある顔。
戦国の覇王。
「のだおぶなが……!」
男は刀を抜いた。
「是非に及ばず……」
コヨミは思った。
(おお……教科書の名場面……!)
しかし。
のだは、刀を首に当てたまま固まった。
「……」
「……」
「……怖い」
「え?」
「いや無理じゃろこれ」
「え?」
「めっちゃ怖いんじゃが!?」
コヨミは思った。
(帰りたい)
のだは、半泣きだった。
「熱いし!」
「うん」
「煙いし!」
「うん」
「死ぬの怖いし!」
「そりゃそう」
「どうしたらよい!?」
「知らないわよ!」
炎が燃え上がる。
歴史上の英雄は涙目だった。
そしてコヨミはまだ知らない。
この出会いが、
日本史最大の謎へと繋がっていく事を――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次話は8/13 20:00に投稿予定です。
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