第十五話 日ノ本一の母
はじめまして、大森林総史です。
本能寺の変の黒幕って誰なんだろう?
そんな疑問から、歴史パロディを書いてみました。
宜しければ、お読みいただけると嬉しいです。
「のだ様ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
上田城に響き渡る絶叫。
真田マサコは涙を流しながら、のだへ駆け寄ろうとした。
「生きておられたのですねぇぇぇぇぇっ!!」
しかし、その前に飛び出した者がいた。
真田ユキムラである。
「生きておったか、このス◯こ◯しが!!」
ユキムラは機関銃を構えた。
「成敗してくれん!!」
「こらぁっ!!」
マサコが、ユキムラの首輪を引っ張る。
「ぐえっ!!」
「どうしてお前は、のだ様を目の敵にするのですか!?」
「だって母上! この男が母上の心を奪った罪人ですぞ!」
「お黙り!!」
バシッ!
バシッ!
「いだだだだだっ!!」
始まった。
お尻ペンペンである。
「止めてくだされ、母上〜!!」
ユキムラは泣きながら逃げ回った。
その様子を見ていたコヨミは、呆然としていた。
「私の戦国武将のイメージがどんどん壊れていくわ⋯」
「なんじゃと?」
のだが、振り返る。
「もっと凛々しくて、カッコいいと思ってたのに⋯」
「馬鹿者!」
「馬鹿はどっちよ!?」
「戦国武将も人じゃ! こっちの方が人間味があって良かろうが!」
「ふん!」
コヨミはそっぽを向いた。
みっちゃんが咳払いをする。
「そろそろ本題へ参りましょう」
一同は表情を引き締めた。
「マサコ殿。黒幕について何かご存知では?」
「黒幕?」
事情を聞いたマサコは首を横に振る。
「私は違います」
「では、ユキムラ殿が⋯」
のだが、震えながら指を向ける。
「ありえません」
マサコは即答した。
「この子は策を巡らせるより、直接倒しに行くでしょう」
「そーだ!」
ユキムラが胸を張る。
だがその瞬間。
バチィッ!!
「ぎゃあああああっ!!」
縄に電流が走った。
ユキムラは真っ黒になって倒れる。
「余計な事を言うでない」
「母上ぇ⋯」
黒焦げになりながらユキムラは涙を流した。
コヨミは呟く。
「日ノ本一の兵って、母のスパルタ教育でできたのかも⋯」
「否定できませぬな」
みっちゃんも頷いた。
やがて話は、武田家へ移る。
「武田の遺臣ではないのですか?」
みっちゃんの問いに、マサコは静かに語り始めた。
「亡き御屋形様⋯武田のシンちゃん様亡き後、武田家には旧臣と新臣の派閥が生まれました」
(武田信玄:武田のシンちゃん)
「なるほど⋯」
「跡を継いだカッちゃん様も悪くはありませんでした。しかし、御屋形様が偉大すぎたのです。」
(武田勝頼:カッちゃん)
「武田のシンちゃん公か⋯」
のだは、懐かしそうに目を閉じる。
「ヤスが三方ヶ原で負けた時は、どうなる事かと思ったぞ」
「長篠で重臣達を失った事も大きかったでしょう」
「確かにのう」
「その後も勢力を保ちましたが、ヤス殿ものだ様も戦上手」
マサコは微笑んだ。
「結局、武田家は滅びました」
「武田の騎馬隊を倒した時は、狂喜乱舞したものじゃ」
「さすがは、のだ様」
マサコはうっとりする。
「また始まった⋯」
ユキムラは頭を抱えた。
「母上は強い殿方に惹かれる悪癖があるのじゃ⋯」
バチィッ!!
「ぎゃああああっ!!」
再び電流。
ユキムラは、完全に炭になった。
「お黙り」
「はい⋯」
こうして真田家にも黒幕の影は見つからなかった。
「益々、分かりませぬな」
みっちゃんが腕を組む。
「そもそも黒幕などおらぬのかもしれん」
のだが呟いた。
「ええっ!?」
コヨミが叫ぶ。
「それじゃこの小説どうなるのよ!?」
「作者に聞け」
「聞けるわけないでしょ!」
コヨミのツッコミが上田城に響いた。
その時だった。
「あっ!」
のだが、突然声を上げる。
「どうされました?」
「肝心な男を忘れておった」
「誰よ?」
コヨミが身を乗り出す。
のだは、ゆっくりと答えた。
「本願寺ケンニョじゃ」
その名を聞いた瞬間。
場の空気が変わった。
長年、のだと争い続けた宿敵。
果たして彼こそが、本能寺の変の黒幕なのか――。
つづく。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次話は9/10 20:00に投稿予定です。
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