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第十三話 未来へ~太平の世を目指して~

はじめまして、大森林総史です。

本能寺の変の黒幕って誰なんだろう?

そんな疑問から、歴史パロディを書いてみました。

宜しければ、お読みいただけると嬉しいです。

「ところで……」


コヨミが首を傾げた。


「私たち、どうやって帰るの?」


一同は固まった。


そして


「あっ!」


全員、同時に声を上げる。


来る時に通った坑道は、落盤で塞がれていたのである。


みっちゃんは頭を抱えた。


「今さら気付いたの!?」


テルは、静かにお茶を飲んだ。


「道が無ければ探せば良いではありませんか」


その落ち着きように、一同は少しだけ安心した。


ヨッチャンが頷く。


「道はある。少々険しいがの」


「おおっ!」


一同の顔が明るくなる。


そしてヨッチャンに案内されて辿り着いた先は――


針の山だった。


さらにその先にはマグマの海。


その上に浮かぶ巨大な岩。


空にはハゲワシが旋回している。


一同は絶望した。


テルは、お茶を飲んだ。


「これのどこが少々なのですか」


みっちゃんが真顔で突っ込む。


ヨッチャンは構わず続けた。


「そなたらが来た道は天国道じゃ」


そして針の山を指差した。


「こちらは地獄道じゃ」


「全然違うじゃないですかーっ!!」


コヨミの悲鳴が響いた。


――――――


「うおおおおっ!」


「きゃあああっ!!」


「熱い!熱い!」


「落ちる!」


「落ちたら終わりじゃーっ!」


決死の覚悟で地獄道を突破する一行。


テルとヨッチャンだけが涼しい顔をしていた。


――――――


ようやく毛利の城へ戻った一行。


別れの時が近づいていた。


モトハルが頭を下げる。


「のだ殿、ご達者で」


のだも深く頭を下げた。


「毛利殿も……」


そして少し寂しそうに笑う。


「わしは、このまま表舞台から消えまする」


ヨッチャンが問いかけた。


「これからどうするのじゃ?」


のだは少し考えた後、答えた。


「黒幕探しが終わったら……」


そして深々と頭を下げる。


「公方様のもとで、修行させてはいただけませぬか?」


みっちゃんも続く。


「私もお願いします」


ヨッチャンは笑った。


「待っておるぞ」


テルが小箱を差し出した。


「父上直伝の薬と毛利まんじゅうです」


ヨッチャンも袋を渡す。


「地獄道温泉たまごじゃ」


「いりませぬ!」


全員が即座に突っ込んだ。


ヨッチャンは笑った。


「冗談じゃ」


――――――


タカカゲが前へ出る。


「信濃までは遠い」


「お気をつけて」


コヨミは胸を張った。


「大丈夫!」


「タイムマシンがあるから!」


タカカゲが首を傾げる。


「たいむ……?」


そしてタイムマシンを見た。


「うおっ!?」


「か、からくりに風車が付いておる!」


のだが苦笑する。


「わしも最初は驚いた」


ヘリコプター型のタイムマシンが起動する。


プロペラが回り始めた。


モトハルが目を見開く。


「そ、空を飛んだ!」


テルは感心したように呟く。


「未来には凄い物があるのですねぇ」


ヨッチャンは遠くを見つめた。


「コヨミ殿は約四百五十年後の世から来たのか……」


「今から四百五十年前と言えば、鎌倉幕府の頃」


「それを思えば、まるで別世界じゃな」


――――――


タイムマシンは空へ舞い上がる。


毛利の面々は見送った。


タカカゲは呆然としている。


「速い……」


「馬など比べ物にならぬ」


ヨッチャンは静かに言った。


「我らの未来が平穏な世であるように」


「我らがしっかりせねばならぬ」


毛利一同が頭を下げる。


「はっ!」


――――――


その後。


モトハルは一人、ヒデ人形の元へ向かった。


すると


そこにはタカカゲもいた。


「なんじゃ?」


モトハルが言う。


タカカゲも笑った。


「兄上こそ」


二人は顔を見合わせる。


そして何も言わず


傷付いたヒデ人形の修復を始めた。


――――――


テルは静かに空を見上げた。


「父上」


「祖父上」


「祖母上」


「遺言の通り、太平の世を目指します」


モトハルとタカカゲは頷く。


「お任せ下され」


――――――


その頃。


コヨミ達は信濃へ向かっていた。


眼下には戦国の景色が広がる。


京の町。


堺の町。


山々。


川。


人々の暮らし。


のだは、窓の外を眺めた。


「京が見えるのう……」


みっちゃんも頷く。


「堺の町も……」


コヨミは静かに呟いた。


「これが戦国時代……」


三人は感慨深く景色を見つめた。


やがてタイムマシンは信濃へ降り立つ。


そこには新たな出会いが待っていた。


戦国最強の知将。


サナダマサコ。


そして若きユキムラ――。


未来へ向かう旅は、


まだ終わらない。


――続く

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次話は9/6 20:00に投稿予定です。

続きも読んでもらえると嬉しいです。


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