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友人の研究所の代表が、うちのメイド???

カノンおばさんの知人であり、学生のメイドになった佐藤桜です。片方しか履いていなかったはずの靴下くつしたが、ペアになっていました。下着したぎもきれいに畳まれており、パジャマまで洗ったのか、整然とした状態だった。2週間研究所を空けなければならないというのは、こういう理由だったのだろうか。彼女は私に小さなメモ用紙一枚を差し出した。くるくると走り書きされた文字は、私の母のものだった。2週間、海外研修に行くことになったの。お父さんも出張があるから、当分の間、メイドと一緒に過ごしてね。勉強したことは写真を撮って送って。-ママ-。私は携帯電話の電源を入れた。「新しい通知はありません」というメッセージが表示された。私が小さい頃も、母の顔を見ることはあまりなかった。卒業式にも花を一輪買ってこなかったし、会社の名札を首から下げたまま、ほんの少し写真を撮る時間だけ持った。校外学習の時も、タコ型のソーセージを作ってくれたことは一度もなかった。周りの子たちが耳のついたクマの形のおにぎりや、卵の上に真っ赤に振りかけられたケチャップを見てクスクス笑っている時、私は納豆が乗った白米を噛んでいた。幼い頃から料理が得意だった私は、自分でガスコンロをつけなければならなかった。料理は得意だから、お母さんが忙しい時も安心だ。そんな時は、フライパンの上で濃厚に焼けていく卵を見つめた。油の滴がピクピクと動く頃、ヘラを握りしめた。白身と黄身がほのかに混ざり合っているのが見えた。それでも、それぞれの色は失われていなかった。

 夕食作ります。部屋で休んでいてください。私は顔をうつむいた。萎れた前髪がまぶたを刺した。リビングのソファに近づき、パジャマを抱きしめた。乾燥機から出たばかりなのか、温もりを感じた。濃厚な柔軟剤の匂いが鼻を突いた。涙が溢れ、鼻水が唇の下を伝った。この時間に手作りの食事を食べた日が思い出せなかった。カバンの中のスナックの袋から、サササッと音がした。

 食卓には、豆腐とワカメがたっぷり入った味噌汁が置かれていた。その横では、カリッと焼かれた魚から湯気が立ち上っていた。椅子に腰を下ろした。サクラさんが、ご飯の入った茶碗を私に手渡した。自分の分も掬って盛った。私の向かいに座り、箸を手に取った。「私、何て呼べばいいですか?」私は食卓に手を伸ばす前に尋ねた。彼女は魚の身をほぐして、私のご飯の上に載せた。「サクラお姉さんって呼んでください。25歳なんです。19歳ですよね?ミカの友達でしょうから。」私はうなずいた。彼女もミカと一緒に研究所で暮らしているのか、なぜ私のメイドになったのかなど、聞きたいことは山ほどあったが、口を開くことはできなかった。お母さんがサクラお姉さんに、分厚い札束を渡したんでしょうね。私はお姉さんがくれた魚の身を口に入れた。塩気の効いた味が口いっぱいに広がった。「ミカとユメアンに通ってるんでしょ。超能力持ってるの?」お姉さんの言葉に、私は二度うなずいた。携帯電話に撮っておいたキーホルダーの写真を見せながら、声を上げた。「私に『職業を生かせ』なんて言うじゃないですか、成績が下がるのが怖いんです。期末試験ももうすぐなのに……」。彼女が私の携帯電話を奪い取った。椅子を後ろに引いて、組んでいた足を伸ばした。親指と人差し指で写真を拡大しているようだった。「お姉さん、どうしたんですか?」。私の問いに目を丸くしたお姉さんが、携帯電話を返してくれた。再び椅子に背を預けて、口を開いた。「あ、キーホルダーが可愛くて。勉強が心配だって言ったよね? 数週間は勉強のことは気にしないで。これまで積み重ねてきた基礎がたくさんあるから大丈夫よ。私は学生には、たまには学生らしく遊ぶことも知ってほしいな。」姉は前髪を撫でた。なぜか声が小さくなっていくようだった。

 川太郎、念のため言っておくけど、ミカには私があなたたちの家に入ったって話はしないでほしいの。

 何か特別な理由があるの?

 ただ……。研究所の仕事をやめて、こういう仕事をしているって知られたら、ちょっと気まずいから。

 姉は言葉を濁した。私の知らない秘密が隠されているかのような、重々しい声だった。私は話題を変え、姉の超能力について尋ねた。すると姉は、小さな声で言った。

 ……痛覚鈍感つうかくどんかん

 机の上で振動が感じられた。母からの電話だった。私は緑色のボタンを押した。「勉強してる? メッセージの通知音が静かだね。」聞こえてきた言葉は、私の名前でも、元気かという安否確認でもなく、あの二文字だった。色鉛筆で引かれた丸印が、不気味に回転しているように見えた。私は母との電話を切った後、カメラを手に取って写真を撮った。整然と書かれた間違った答えも、すべて写真アルバムに収めた。母とのメッセージ画面を開いた。私が送った数多くの勉強の痕跡が目に飛び込んできた。その下には既読マークが表示されていた。私は写真をアップロードしてから、クローゼットの扉を開けた。汚れ一つない上着を取り出した。急いで着替えた運動着の上に羽織った。両腕を左右に広げ、胸を前に突き出した。深く息を吸い込み、吐き出した。深夜の空気はこんなに冷たかっただろうか、数日前とは違って心臓がバクバクすることもなかった。

 無我夢中で歩いていると、いつの間にか学校のへいの前に来ていた。夜11時になってようやく、無言の表情の子供たちが鉄製の門をくぐっていった。うちの学校は毎週金曜日に必ず夜間自主学習じしゅがくしゅうをしなければならなかった。母の希望でこれさえもできない私は、毎日、ドアがぎっしりと閉ざされた場所で英単語を書き連ねていた。中指には大きなタコができ、その上の皮膚は一枚ずつ剥がれ落ちていった。眠気に襲われ、目をこすっている子もいた。私は運動場の周りで足を止めることができなかった。ふと、ミカが外に出てくる姿が見えた。私は嬉しさのあまり声を上げた。「こんな時間にどうして出てきたの?」とミカが尋ねた。代表の姉の話をしようかと思ったが、出張中の母の話へと話を続けた。夏の日のぬるい風が肌に触れた。

 私たちはアイスクリームを舐めながら公園を回った。ベンチに座っておしゃべりに興じるカップル、膝当てをつけて走る人たち……、私はミカと一度、くだらない会話を交わした。「どうして私の名前で呼んでくれないの?」と尋ねると、彼女は呆れたような顔で早足で歩き出した。誰かの羨望の眼差しは受けたとしても、心から親しくなれる人はいたのだろうか。まだ距離感がある部分があっても、ミカと親しくなるのを待っていた。超能力で結ばれた関係であっても、私はこの関係を愛したかった。クリームがなくなった棒を口にくわえた。ミカに向かって走り出すと、上着が揺れた。ミカは足を止め、ある一点をじっと見つめていた。真夏シュタが私たちの方を見つめていた。肩の上ではココアが這っていた。彼は人差し指を立て、腕を伸ばした。「お前、こんな時間に何してるんだ?」



ダヒです。小説、楽しんでいただけましたか?不自然な文章があれば、遠慮なくフィードバックをお願いします。今後は週末に1~2話ずつ更新していく予定です。ぜひご注目いただければ幸いです。

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