4/5
一緒に
お腹がすいた。
そう思って冷蔵庫を開けたら、すぐに食べられそうなものはプリンしかなかった。
これ、勝手に食べたら怒られるかな。
別に誰のと決まっているわけではないが、甘いものが大好きな彼女のことだから、もしかしたら楽しみにしているかもしれない。
その彼女は、今は出かけていて家にいない。
電話をしようにも、彼女のスマホはテーブルの上に置いたままで、それもできない。
ぐー……
鳴ったお腹をさすり、冷蔵庫のドアを閉めて考える。
パンケーキでも作って食べようか。
ちょうどその時、玄関から音がした。
どうやら彼女が帰ってきたらしい。
「ただいま」
「おかえり」
彼女はダイニングテーブルに買い物袋を乗せ、一つずつ袋から取り出していく。
それを、一つずつ冷蔵庫に入れる。
卵に牛乳、豆腐に豚肉、そしてプリンが一つ。
「プリン?」
思わず声が出た。
すると彼女が笑いながら言った。
「冷蔵庫に一個残ってるでしょ? 一緒に食べようと思って」
「ちょうどお腹がすいてたんだ」
笑顔で返す。
だけど、心の中では別のことを考えていた。
……勝手に食べないでよかった。




