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お裾分け  作者: 福島ひかり


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5/5

はんぶんこ

「太った……」


この世の終わりとでも言うようなテンションで、彼女が言った。

そして、言われた側はものすごく反応に困る。

聞いていいのかわからなかったが、一応聞いてみる。


「何キロ増えたの?」


「……一キロ」


消え入りそうな声だった。


だけどそれは、太ったうちに入らないと思う。


それでも彼女は気にしているらしく、その日から、あんなに好きだったお菓子に手を伸ばさなくなった。

伸ばさないけど、ものすごく見てる。

それはもう、穴が開くんじゃないかと思うくらいに。

仕方ないなと、クッキーを一つ手に取って半分に割る。

半分は自分の口に、もう半分を彼女の口の前に持っていき、


「あーん、して」


彼女は少し迷ったあと、素直に口を開けた。

口を開けて待つ彼女を見ていたら、ちょっとだけ魔が差した。

割れていないクッキーを取り、まるまる一枚入れてあげた。


その後、めちゃくちゃ怒られた。

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