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お裾分け  作者: 福島ひかり


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2/5

味見

スーツに着替え、食卓に着くと彼女が言った。


「この料理には、何かが入っています。何が入っているかを当ててください」


テーブルに並べられた料理を見る。


ご飯、味噌汁、目玉焼きにウインナー、そしてサラダ。


どう見ても普通の朝食だ。


「全部の料理に入ってるの?」


「入ってます」


「一口食べたらわかる?」


「食べなくてもわかります」


意味がわからない。


とりあえず、味噌汁に手を伸ばす。


匂いを嗅ぐ。


うん、普通の味噌汁だと思う。


一口飲む。やっぱり普通の味噌汁だ。


見た目、匂い、味に変化はない。


すべての料理に入っていて、食べなくてもわかる……。


隣に座る彼女を見る。


満面の笑みだ。


「ねぇ、それってもしかして……」


彼女の耳元に顔を寄せ、そして囁く。


「愛情?」


彼女は何も言わない。


けれど、真っ赤になったその顔が答えだった。

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