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味見
スーツに着替え、食卓に着くと彼女が言った。
「この料理には、何かが入っています。何が入っているかを当ててください」
テーブルに並べられた料理を見る。
ご飯、味噌汁、目玉焼きにウインナー、そしてサラダ。
どう見ても普通の朝食だ。
「全部の料理に入ってるの?」
「入ってます」
「一口食べたらわかる?」
「食べなくてもわかります」
意味がわからない。
とりあえず、味噌汁に手を伸ばす。
匂いを嗅ぐ。
うん、普通の味噌汁だと思う。
一口飲む。やっぱり普通の味噌汁だ。
見た目、匂い、味に変化はない。
すべての料理に入っていて、食べなくてもわかる……。
隣に座る彼女を見る。
満面の笑みだ。
「ねぇ、それってもしかして……」
彼女の耳元に顔を寄せ、そして囁く。
「愛情?」
彼女は何も言わない。
けれど、真っ赤になったその顔が答えだった。




