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お裾分け  作者: 福島ひかり


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ひとつだけ

会社のデスクの一番上の引き出しには、気がつくとお菓子が一つ入っている。


クッキーだったり、チョコだったり。

「どこで買ったんだ?」と思うような、変わったお菓子のときもあった。


誰が入れているかはわかっている。


「またお菓子入れたの?」


「だって美味しいものはお裾分けしたいじゃん!」


そう言って笑う君。

いつからか、引き出しを開けるのが楽しみになっていた。


今はもう、引き出しにお菓子が増えることはない。


なぜなら彼女は、


「ただいま」


「おかえりなさい!」


家で迎えてくれるから。


---


翌日、昼時。

彼女が用意してくれたランチバッグを開ける。


中を見て、思わず笑ってしまった。


お弁当箱の上には、チョコレートが一つ乗っていた。


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