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祝福の宴と愛を揺らす童

魔法成功祝いに店に来たら、オリヴィアの知り合い家族も祝いに来ていたようで......

<はじめての魔法成功祝い>


 ざわざわざわ


 人多いな。あと夜なのに灯り多!?

 魔法成功祝いということでやってきたのは王国西にある繁華街。

 自分の住んでる場所と同じ国とは思えない。

 将来ここに家建てようかな?(都会好き)

「シルフィー。今日はおすすめの店を紹介してやるぞ。私の同僚の間で有名な店なんだ。」

 有名!?

 お母さまって有名な店に行くことあるの?(※シルフィーはいつも客のいないマイナーな店ばかり連れてかれます)

 正直少し緊張する。

 普段来ない場所に、行ったことない店という不確定要素で、つい嫌な未来を思い浮かべてしまう。

「ここだ。」

「これはオリヴィア様。ようこそいらっしゃいました。」

 めっちゃ入り浸ってるじゃん。

 ちょっと頭がバグりそうだよ。

 まさか、職業柄行きたくもない店に無理矢理連れてかれてるの?(※なら来ません)

「わぁすごいなぁ。ハンフー(※異世界式竹)の装飾が綺麗!」

 父乗り気。

 本当に何故普段マイナーな店ばかり連れてくんだろう?

「さぁ入るとするか」

「あれ?団長じゃないですか。」

「お前はレックスか。奇遇だな。それに……」

「あ、ご紹介しますね。こちら妻のアザレアと娘のミントです。今日は娘の初等学校の合格祝いに来ました」

 え?団長?学校の合格?

 それも気になるけど、この人たちはいったい...

 話しかけてきたのは若い赤毛の人間の男性だ。かなり鍛えられた印象を持つ。母を団長と呼んだのに関係あるのかな?

 そして気になるのは彼の妻と呼ばれた金髪の優美そうな女性もそうだが、娘のミントだ。

 なんだろう?

 彼女が僕をじーっと見つめてくる。

「ねぇ君。いくつ?名前は?」

「4歳。シルフィーです。」

 とりあえず答えておけば怒られないだろう。

「こらミント。人に名前を聞く時は自分からだろう?」

 僕は怒られなかったが彼女は怒られたようだ。

 それにしても規律に厳しそうな人だな。まるで何かの構成員?

「アタシはミントよ。今年で6歳。ねぇシルフィー、一緒に食べない?」

 なにしてるんだぁぁぁ。

 ちょっと僕みたいなコミュ症が初対面の家族と食事?

 2人きりならまだしも、他4人を巻き込むだって?

 あれ?この店って母の同僚がよくくるんだよね?

 つまり断ったら母とミントの父、それどころか家族間で気まずくなるんじゃ?

「いいよ。」

 言ってしまった。

「お子様もこういってますし良ければいかがですか?」

「そうだな。せっかくの娘の魔法成功祝いだ。みんなで祝った方が楽しいだろう。な、シルフィー。」

「うん(わかりません)」

 その母の二つ返事により今回の祝杯は家族合同でやることになった。

 くそぉ。社会でうまくやるための試験厳しすぎるよ。

 受けて立つしか……

「君いくつ?私より少し年上っぽいけど。」

 いつの間に?

 ミントが僕の前にいない。

 なぜかパパの前にはいる。

「はじめましてミント。僕はフィオ。ちょっと年上くらいかな。」

「いくつ年上なの?」

 あ、聞いちゃうんだそれ。

 せっかくパパが驚かさないようにぼかしたのに……(珍しく察しました)

「じゃあお店の中で教えてあげるよ。」

 そういう僕たちは店に入ることになった。ただし爆弾を抱えて……

(見た目と実年齢一致してると自己紹介で楽なんだなぁ) 

 

 ◆

 

「ではご注文はいかがしますか?」

「とりあえずデザート以外全部頼む。あ、もちろん最大サイズでな。」

「畏まりました。」

 なんで母にツッコまないのかな?

 店員は当然と言わんばかりに快諾する。慣れてるな?

「では俺は黒毛和ポークン丼(※異世界式豚丼)特大盛りで。」

「さすがお父さん。いっぱい食べるね。」

 娘の賛美に顔をにやけさせるレックスさん。でもなぜだろう?

 まったく多く感じない。

「では夫と同じものを。」

 え?特大盛り!?細いアザレアさんのどこに収納されるの?

「僕、小盛にする。」

「アタシもフィオ君の同じのにするわ。」

 仲良いな、二人とも。

 んん……気のせい?なんか胸の奥がムズムズする気がする。

 

 ちょっと待って。

 全員ポークン丼頼んでるじゃん(母含め)。

 

 僕のオーダーを心待ちにする視線がぞろぞろ。

 ……逃げ場、無し。

「じゃあ、くろ」

「シルフィー。好きなのを選べ。」

 お母さま……。

 大好き。それ以上の言葉はいらない。

 言葉はいらないけど動きは必要。このあふれ出る愛情を持ってぎゅ――したかったがやっぱり怖い。

 みんな見てるし。

 そのぅ。思った反応と違ったら少し怖い。

 とりあえずホワイトバスの天ぷらを頼んでおいた。


「ねぇフィオ君普段何してるの?というか何年生?学校はどこなの?」

 ミントから父への質問攻めが続く。それにしても僕には興味ないの?

「おいフィオ。いつ言うんだ?(ぼそり)」

 母がエルフにのみ聞こえるくらいの小声で父と話す。

「どうしよう?急に本当の事なんて言えないよ(ぼそ)」

「ねぇフィオ君ってかっこいいよね?彼女とかいるの?よければ私とかどう?」

「「「「?」」」」

 まずい。僕も母も水を吹く寸前だった。

 レックス夫妻無言。突然の娘の爆弾発言に凍結と暴走が合わさったような混沌状態。

 ちょっと待って。お母さまの目が怖い気がする。

「お母さま。落ち着いて。子供のすることだよ(ぼそ)」

「だが彼女は私のフィオを……(ぼそ)」

 何だこの空間?交じり合う強い感情に、父の抱えた爆弾。

 なにか起こらないほうがおかしいよ。




見てくれてありがとうございました。

フィオは自分の年齢をミントに伝えるのか?ミントの爆弾発言にどう対処する?

シルフィーはとられそうな父をどう守る?


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