フィオの魔法科学教室と揺れる心
今回はフィオ先生の魔法科学教室です!
魔法の仕組みがついに明らかに……?
でもシルフィーの心はちょっと曇り気味。
僕は寝た……。
久しぶりの一人のベッドだ。
僕にはこれが当たり前だった。当たり前のはずなんだ。
でも、子供の身体が臆病なのか、この体はこの世界の摂理(弱肉強食)を知っているのか……
膝枕が欲しい(唐突)。
「パパ、お母さま。どっちでもいいから膝枕してよ(ボソッ)。」
「いいよ」
「わぁ!?」
一人で寝ていたはずだ。
さっきまで布団をかぶっていた僕は、起きたら左右を見渡した。
でも下(布団)は見ていなかった。
めくりあがった布団を見て、僕は目を見開きながら尋ねる。
「パパ。何してるの?」
「一緒に寝てたんだよ。それはそうと膝枕が……」
「えっと、あの、その、もうそろそろご飯だよね?」
「うん。ご飯できてるよ。食べようか!」
聞かれていた?
さっきの。
(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいよぉ。)
睡眠でさっきの魔法教室の疲れは80%取れた!(膝枕あれば90%だった)。
でも5%の心臓の疲れが加わったのであった(昼ごはんで回復)。
「あらためてシルフィー。魔法の成功おめでとう。母として誇り高いぞ。」
「僕もだよ!」
2回目とはいえやっぱり褒められるのは口がにやける。
この顔……変じゃないかな?
ちょっと恥ずかしくなった。
いや、怖い?
何が?
僕の心の奥底で重く、暗い何かが動くような感じ。
(どうしよう?僕が二人を壊したら。僕への称賛がストレスだったら。)
子供のころから父母(前世)が揃っている光景を見ると怖かった。
理由はわからない。
ただ、怖かった。
癖は簡単に消えない。
「ありがとう。お母さま、パパ。ところでお母さま、魔法についてパパに聞けばいいんだっけ?」
つい話題を変えてしまった。
でも今の僕にはこれが限界。みんなは褒め慣れているのかな……?
「そういえばそうだな。フィオ、シルフィーに魔法の原理を教えてやってくれるか?私は感覚で使っているから詳しくはわからん。」
「いいよオリヴィア。えっとね。魔法っていうのは体内の魔子や魔分子を放つことで生まれる現象なんだ。」
「え?魔子?魔分子?とにかく体内に2種類の魔法の粉があるってこと?」
どうしよう。まったくわからないよ。
もし学校行ってたら習うのかな?(※転生前は不登校だったシルフィー)
「そうだよ。その粉をこれ以上砕けないまで小さくしたのが魔子だよ。そしてそれが組み合わさったのが魔分子だよ。」
つまりレ〇ブロック1つ1つが魔子で、それを組み合わせたアートが魔分子ってことかな?
「つまり魔法っていうのはね、魔子を組み合わせて発射する行為なんだ。ちなみに魔子をそのまま発射する魔法もあるけど魔分子を使う魔法のほうが圧倒的に種類が多いんだよ。」
種数が多い……か。どんな魔法があるんだろう?
学問のはずなのに、興味を感じさせてしまう父の言葉はまさに魔法のようだった。
つい舌が、続きを欲しがる。
「ねぇパパ、お母さまの氷魔法と僕の爆発魔法はどういう仕組みなの?」
「それなら私も知っているぞ。爆発魔法は魔子を飛ばして爆発を起こすんだ。あの、その、フィオ合ってるな?」
「その通りなんだ。でもあの威力は普通起きないんだ。せいぜい肩をたたくくらいの威力しか出ないよ?魔子を飛ばす魔法はね。だからシルフィーはすごいんだ!」
いちいち褒め方がうまい父。
どうして耐性のない僕をここまでするの?口元が気になって仕方ないよ。
だからつい母の口元を見てしまったが……あれ?むずむずしている。
え、なんで?
まさかさっきの知恵披露が堂々と言えなかったから照れてるの?
よかった僕だけじゃないんだ。
あとでお母さまの背中にダイブしよう!(喜びの表現)。
しまった!?
まるで子供じゃないか?
(子供じゃダメなの?)
――もう……子供でいいのかも。
それに元から、僕に大人なんて名乗れない。……少年ですら、怪しいのかもしれない。
異常になじむ。この身体が。
まるで最初から、僕はこうだったみたいに。
なろうとした。
でも、染まり切れなかった。
あの身体には。
追い付けなかったんだ。心が。
身につかなかったんだ。周りの望む振る舞いが。
ずっとこのままでいたいよ……
「パパありがとう!とっても授業楽しかったよ。」
「シルフィー。僕そんなこと言われたらてれちゃうよ。」
照れを隠す僕と母、そして一切隠さない父。
今日、一家にはいつもと少し違う笑いがともった。
簡単に言うと
魔素=元素
魔子=原子
魔分子=分子
みたいなイメージです。
なお体内では魔分子の合成も可能ですが、やりすぎは危険(魔分子中毒)。




