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█の見た平和  作者: 白河田沼


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第10話 二人目の裏切り者

「地獄で会いましょうね、見知らぬ私の可愛い娘」

とただ言った。

そうして、一人目の裏切り者は始末された。

裏で糸を引くであろうルシファーと、

残る二人の裏切り者、

そして他の研究員と共に血塗れの自身の格好を気にもせずにサーバーを復旧させる中、

けれど、またしてもフリージアは「神」のように笑む。



「情報の種計画」に記された特記事項通りに









◻︎

首席補佐官の裏切り発覚から二ヶ月経った頃、

ヨセフ・ブルーリィンカーネーションが父親である事を知った。

ローズの仇である事も知った。

ルシファーから聞いたその言葉を思い出しながら、

けれどフリージアは冷水シャワーを浴びつつ思考に身を委ねる。

あの事件の日の夜、WPRIにアドナイが来た。

大罪の術者の一人、傲慢の術者としてでは無い

七大貴族当主としてでも傲慢の一族当主としでも無い。

ただ一個人としてフリージアとルシファーという自身の子の様子を確かめに来たのだ。

そして話した。

アドナイが「戒めの鎖」を解除された事を感知してここに来た事、

「九つの宝玉」ダイヤモンドがWPRI所長を挿げ替えようと刺客を送った事、

その刺客とルシファーが会い偶然ながら撃退に成功した事。これからも有名人となったフリージアの元に刺客が七国中から送られてくる事、

二人目の裏切り者について、

彼がいつ裏切るか全知全能のアドナイでも分からなかった事、大体五つの事を話してくれたアドナイである。






二人目の裏切り者についての意見を交換し、

そして傲慢の術者としてアドナイはフリージアにこう言った。

『今度の裏切り者には気をつけなさい』と











冷水のシャワーを温水に切り替えれば、

いつも通り、一通り丁寧に或いは上品に映る程に体の汗と汚れを落とした。

して扉を開き、

髪と体についた水滴を棚の上に置いていたタオルで拭う。

服を着込み、瓶底眼鏡を付ければ何も無い部屋のベッドに寝転がるフリージアである。

ルシファーを顧問と首席補佐官の兼任にさせた事、

「戒めの鎖」を解いた事によってアドナイから程々にするようにと忠告が来ている事、

"人類の未来の為に"「平和」に関する研究を進めるWPRI研究員彼らの中に裏切り者がまだ二人いる事、

情報子の生成実験、

成功によりWPRIの予算が増えエレベーターが二週間前の昼に修理され動いている事、

それを咄嗟の状況でフリージアが忘れていた事、

これら五つの事をベッドを軋ませ、

寝転がりながら振り返る。











「・・・・全く、本当に大変な二ヶ月でしたね、反吐が出るかと思いましたよ

そして、まさかローズの仇がこんなに近くに居ただなんて。驚きすぎて声も出ません」

実験室の手前、所長室の奥にあるフリージア個人の為の部屋。そのベッドの上で瓶底眼鏡を外し、ベッドサイドに置く。

ヨセフがローズの仇である事について、

特にどうとも思わない。

「君の最も嫌う方法と時に君に死を送ろう。」

と汗と体液塗れのフリージアの頬を撫でながら言ってくる男なのだ。

それが父親だろうと、

友達の仇だろうと特に問題にする気は無かったフリージアである。

単純に無いのだ、敵討ちをするだけの時間が。

WPRI所長として情報の泡の擬似生成を霊子コンピューターの内部に行う事こそが、

フリージアの今の目標だった。

そうして思考を区切る、

友達の仇を憎む気持ちに折り合いを付けたのである。

そうして、眠る為の行動を開始する。














「・・・・・」

して黙りながら、天井を見つめていれば

けれどタートルネックを捲り、脱ぎ捨てる。

背後に手を回し、ブラジャーのホックを外せば、

それすらもベッドの脇に放り投げた。

そうしてボトムスのチャックを寛げ、

尻と腿、脛と足首の順番で足を上げながらズボン型のそれを脱いだ。

ハンガーに掛けられた白医を見る。

して、髪で横になる事によって流れた乳房が隠れただけの状態も、

下着一枚である事すらも気にならなかった。

そうして最後の砦である、ショーツにも手を掛けた。

そうして一糸纏わぬ裸になればそのまま天井を見つめた。





フリージアは10歳の頃から、殆ど毎日男に抱かれながら眠って来た。


ローズよりも戦闘が下手でセックスが上手だったフリージアは男に股を開いて生きて来たのだ。

人殺しの依頼もしっかりとする物の殆どの夜を名も知らない男の腕の中で過ごした。

最初は性交為の慣れない感覚に戸惑っていたのを覚えているフリージアである。

幸いローズとは違って人並みに性感を感じる事の出来る彼女は、

人並みに快楽に耽る事が出来た。

ローズが横で眠る数少ない夜の中で、

男の肉棒が胎を貫く感覚を思い出し、何度も何度も自分を慰めた事もあった。

その習慣から、フリージアは裸で布団に包まれなければ寝れなくなっていた。












「全裸で布団に包まれ無ければ寝れないなんて、母親としてはあり得ない習慣ですね、穢らわしい」

そうして、今度の二人目の裏切り者について思いを馳せるフリージアである。

霊子圧縮炉が今度は狙われるとフリージアは読んでいた。

ルシファーと深く関係しているであろう彼が、手を出す装置がそれ以外考えられなかったからだ。

霊子圧縮炉はフリージアとルシファー顧問、

そしてカーネーションの手によって作られた。

大元の理論をフリージアが提出し、

それを二人で改良、構築したのである。

だからこそ、二人目の裏切り者である彼は、

きっとルシファーから霊子圧縮炉を攻撃に使えと言われているだろうと考えたのだ。










「「罠」を張るとすればそこですか。

霊子圧縮炉を餌に盛大に引っかかって来た彼を捕らえる。

今度の相手は体で籠絡出来そうな相手ですが、

果たしてどうそれを使った物か、

手で慰めてあげましょうか、少し面倒ですけど」

育ち切らない情緒でそう言えばけれど所長室の扉が3回コンコンコンとノックされた。

それに思わず飛び起きるフリージアである。

一体誰が来たのか、

全裸であるが故に単純に気になったのだ。

当たり前のように男に股は開いても、猥りに裸は見せる気が無かったフリージアである。

けれど、ふと思う。

これノーパンノーブラで対応したらどうなるのかと

いつもならしない馬鹿な考えが情緒の発達と共に溢れ出たのである。

そうして、服を着ていき、タートルネックに袖を通せば、けれど、パンツとブラだけはベッドのシーツの裏に隠した。











「・・・誰ですか。今から眠る所だったのですが」

そんな状況とは真逆の気怠げな言葉を話しながら扉を開けばけれどそこには居た。

十字の瞳を持つ、金髪金眼の男

大罪術式次期後継者ルシファー・エフェソスが、

傲慢の一族次期当主が、救世主然とした態度で堂々とそこに立っていた。

その様子に思わず息を呑むフリージアである。

フリージアにとってノーパンノーブラで過ごすのは対して珍しく無い。

今は寝る前と寝ている時以外殆ど無い物の、「お客様」の命令で嫉妬の街のスラム街の大通り、

そこをノーパンノーブラで堂々通らされた事もあったからだ。プレイとしてのそれと好奇心から生まれた今の状況では色々と違う物の、

恥じる程の物ではフリージアには無かった。









「ああ、明日の第二回情報子生成実験について話し合いたくてな・・

どうした珍しく顔が赤いぞ、

風邪でも引いたか?」




「・・・うるさいですよ、兄弟姉妹(きょうだい)を名乗る愚か者。

一族の繁栄を目指すという関係上何度も女と寝た事がある癖に今の私にどうこう言わないで下さい。

汚らしい」

そんな言葉と共に思わず顔を背け、赤面しているであろう顔面を隠したフリージアである。

体が反応しているのでは無い。

ただ恥ずかしかったのだ、目の前の十字の瞳を持つ、金髪金眼の男

確か14歳だったかの救世主然とした男の前でノーパンノーブラで居る事が、

未知の体験に戸惑ってしまったのである。








「・・・そうか、それにしてはいつもより態度が優しい気もするが」





「・・・っ、聞いていなかったのですか?

穢らわしいから出ていけと言ったのです、私は。

元来、兄弟姉妹(きょうだい)を名乗る愚か者に私から話しかける事なんてありません。

さぁ、早く出て行って下さい。」

「・・・何をそこまで」と赤面しながらの余りの動揺ぶりに目を見開いていれば、けれどルシファーは見た。

揺れている。

いつものタートルネック越しに見るそれよりも揺れた胸を見た。

それに一瞬思考が止まりかけけれど何となく理解する。こいつ、好奇心でノーパンノーブラのままで扉を開けて対応しやがったといつもより揺れる胸から、

瞬時に判断したのである。







「さぁ、出て行くんですか。

出ていかないんですか、選んでください。

今すぐに」




「・・ああ、今すぐ出ていこう。明日に関しての打ち合わせは明日の朝にすれば良い」

「・・では」とそんな言葉と共に扉を勢いよく閉め、扉に背を向けてへたり込むように座る、フリージアである。

気付かれてはいない、

嗚呼そうだ、気付かれてはいない筈なのだ。

確かに彼の視線が私の胸に注がれた事は何度かあった。

どの場面も不可抗力の事だったし、

邪な気持ちは一切感じなかったから見逃していたが、

今回のは違った、

気遣うような先の言葉に思わず息が乱れる、止まない鼓動に胸の前で手をぎゅと握る。

「彼を意識してしまっている」とそんな言葉が頭から離れなかったフリージアであるのだ。









「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

そんな風に長い溜息を吐きながらけれどフリージアはこう思った。

「こんな状態でどうやって裏で糸を引く彼を切り捨てれば良いのだ」と静かに赤面しながら、

珍しく自身の境遇を嘆いたフリージアであった。

そうして、扉の前で眠った翌日の朝、

昨日、夜行った通り第二回情報子生成実験についての詳細な打ち合わせを行なっていたその時、

霊子圧縮炉に異常が検知されたというアラートが、

研究所内部の情報を管理するサーバールームから研究所内全てに発せられた。


「情報の種計画」に記された特記事項通りに











◻︎

その日は正しく最低な日だった。

霊子圧縮炉が暴走の兆候を見せたのだ。

その元凶が、第二実験室

つまりは霊子圧縮炉のある部屋に居る事は理解できた。

けれど、それと同じく障害があった。

信頼するような瞳をした、少年

ゼラニウム・エフェソスを犯人は人質に閉じこもってしまったのだ。

朝、起きていつも通り実験室の掃除をしていた彼が狙われたのだ。大体の研究員が霊子コンピューターのある第一実験室に揃っているこの状況でである。









「犯人の要求は何ですか、

兄弟姉妹(きょうだい)を名乗りし愚か者」




「犯人の要求はこうだ。

「この少年を助けたくば少年ごと霊子圧縮炉の暴走に巻き込まれて死ね」と変声機か何かで変えた声で言っていたようだ。」




「こちらはどう答えましたか」





「「要求は飲み兼ねる少しだけ待って欲しい」と言ったきりだ。

掛かってくる内部通信を上手い事口八丁で欺きつつも時間を稼いでいるのが現状だ」

「よく、持ちこたえていますが限界は近そうですね」とただ独言するフリージアである。

して思考を整理する。

犯人の正体については分かっていない。

強欲の術者の部下である「九つの宝玉」、

そのボスであるダイヤモンドの刺客かと考えたが、それにしては強引なやり方だった。

利益の回収出来ないやり方をしない主義の彼らにしては、考えが甘いように感じたのだ。

第二実験室の扉を、

ルシファーや私がぶち破ったら犯人はどうするのだと考えるフリージアである。

だからこそ、こう言った。









「犯人を刺激しない為にも愚か者だけ着いてきて下さい。皆は霊子濃度計測器やコンピューターデスクの影に隠れているように、

転移門は閉じていて下さい、

言わずとも分かるかも知れませんが私を迎えた日に見栄を張って使った、

あの空間転移魔術の掛けられた全ての扉に付けられた機能のことです。」

そんな言葉と共に扉の横にルシファーと共に背を預けるようにしながら、様子を伺うフリージアである。

して、扉の向こうが静かになった一瞬、

内部通信が第二実験室から掛かってきたのを確認すると同時にルシファーと共に扉を蹴り壊した。

内鍵が壊れる音と共に扉が跳ねて飛んで行けば、けれどそこに居たのはやはり彼だった。












「やー、早いですねー。皆さん」

信頼するような瞳をした、金髪碧眼の少年、

ゼラニウム・エフェソスが変声魔術を魔術式で発動させ声を変え、そこに居た。

内部通信を掛ける為の受話器を持って、ただ信頼するように笑んだ。









◻︎

ゼラニウム・エフェソス研究員

彼は異質だった。

傲慢の術者であるアドナイの親戚として七大貴族である傲慢の一族として生まれた彼は、

けれど「犠牲の瞳」を授かって生まれなかった。

十字に金の瞳をした傲慢の術者の家系にのみ受け継がれて来た由緒正しいそれを、

ゼラニウムは持っていなかった。

信頼するような瞳をした、金髪碧眼の少年である彼は、迫害の日々に耐えながらも多くの友人を作ったという。

そうして、多くの境地を乗り越えてWPRIに所属した彼は周りに流される事すらなく。

決して性的にも堕落しなかったという。

その強靭な精神力を持った彼の笑顔を前にして、けれどフリージアは目を見開いた。








「やー、早いですねー。皆さん」

瓶底眼鏡越しにその碧眼を見つめながらもけれどフリージアは目を閉じた。

驚いたのでは無い、

単純に意味が分からなかったのだ。

自身の命が脅かされたこの状況でどうしてそんなに屈託の無い笑みを浮かべられるのか

舐めているとは思えない。

単純にその目はこう言っていた、

「お前達など脅威には値しない」とただその視線だけで察せたのである。









「そんな事は思ってませんよー。

全く酷い考えですね。ローズ所長は

いや、今は敢えてこういうべきなんでしょうか、黒(・)の(・)魔(・)女(・)と(・)」



「え」

その言葉に後ろのコンピューターデスクに身を隠した研究員の一人が思わずと言った風に、声を上げた。

研究員達の疑念の眼差しを背中で感じながらも、瓶底眼鏡をくいっと上げる。

黒の魔女とは第二次七国戦争に於いてアドナイに討伐された魔女だった。

魔女戦役といわれるその一日だけで終わった戦争は、

しかし、一千万人以上の死者を出しながらもその短さ故に"一日戦争"とも呼ばれていた。

そんな戦争の後、

死刑に処される筈だった魔女は監獄から脱獄した。

その彼女が恐るべき魔女が目の前に居ると研究員達にゼラニウムは言ったのだ。






「あり得ないよ、

確かにいっつもタートルネック着てて変な人だなとは思ってたけど。

戦争を引き起こす程の人じゃない、

何か勘違いしてるんじゃ無い、ラム君」





「そうだよ、私達が仕事すらせずにセックスに精を出している間に、

霊子圧縮炉をいつの間にか作り上げて情報子すら生成してのけた恐ろしい人だけれど、

けれど、そんな事をする人じゃ無いってのは分かる。

そうでしょう、"ローズ所長"!

何とか言って下さい!!」

そんな悲鳴にも似た絶叫を聞きながら、けれどフリージアは答えない。

目の前のゼラニウムの立ち姿に何処か覚えがあったのだ。そうして後ろの責めるような視線すら無視して、

見つめていればけれどゼラニウムは言ったのだ。










「「ブラックバレッド」傲慢の一族直下の親衛隊副隊長。それが俺の肩書きだよー

七割があの時の戦争で黒の魔女であるアンタに殺されたって聞いた時は驚いたなー

信頼してた隊長も、

大好きだった隊員も、

皆んな死んじゃった、お前の、お前のせいで」





「・・・その事について私から何か言う事は無いです。アレは私の計画に必要なものでした。」





「情報の種計画って奴ー

隊長から聞いたよー

「黒の魔女が何か企んでる、奴の動向に気を払え」って

それは本当みたいだねー」

そんな風に言いながらも内部通信の受話器をくるくると指の上で回転させれば、

カチャンという音と共に受話器を元に戻す。

加えて思わず影から出て来た数人の研究員を見つめてこう言った。









「情報の種計画の第三段階、▇への挑戦。

その代償はこの世界全ての者の「死」なのは理解していますよねー。

皆、アナタの唱える「情報の泡理論」の行き着く先がそうだって知って着いて来たんですから。」





「だけれど、皆んなはそ(・)れ(・)を(・)言(・)う(・)の(・)が(・)黒(・)の(・)魔(・)女(・)だ(・)っ(・)て(・)分(・)か(・)っ(・)て(・)無(・)か(・)っ(・)た(・)見(・)た(・)い(・)で(・)す(・)ね(・)。

だから、皆んな動揺してる、

怖いんですよ、皆んな貴(・)方(・)が(・)戦(・)争(・)か(・)ら(・)生(・)ま(・)れ(・)た(・)魔(・)女(・)だ(・)っ(・)て(・)事(・)が(・)

自(・)分(・)達(・)の(・)信(・)頼(・)を(・)裏(・)切(・)ら(・)れ(・)た(・)か(・)も(・)知(・)れ(・)な(・)い(・)こ(・)の(・)状(・)況(・)が(・)」

その言葉を聞きながらもフリージアは歩く。

歩く、歩く、歩く。

そうしてゼラニウムの前に歩み出れば胸ポケットからナイフを取り出すフリージアである。

黒い気配(オーラ)を発し近づく。

「戒めの鎖」の効果を数秒間だけ預奪の魔術を用いて無効化しながら近づいて来たのかと考え、

けれどゼラニウムは目を閉じ、開いた。

そうしてこう言った。









「皆さん、"人類の未来の為に"「平和」を精々目指して下さいねー

そしてWPRI研究員として最後に一言。

「黒の魔女を信じるな」こいつはまだ何かを隠しています。

だからこそ、利用されない為にも私の遺言を忘れないで下さいね。」

そんな言葉と共に黒い気配(オーラ)に包まれたナイフが一閃されれば、

けれどゼラニウムの体は袈裟斬りに切られた。

傷口から血を吐き出し、

霊子圧縮炉にシリンダー室の内側にさえ血液が染み渡る。吐血しながら倒れる金髪碧眼の少年、

その姿を見た後、

けれどフリージアはこう言った。

「神」のように笑んで振り返り、こう言った。












「皆さん、こうは成らないで下さいね。」

と自嘲気味に笑んでそう言った。

そうして霊子圧縮炉の暴走を解除した後、

フリージアはルシファーを部屋に招いてこう言った。

聖人のような笑みを浮かべてこう言った。







「貴方の子種を私の胎に注いで下さい。」

と淫猥な娼婦のように笑みながらもそう言った。

「断る」というルシファーの言葉を微かに期待しながら、

けれど、誘うように、

服を脱ぎ捨てた裸の状態で

胎の上に白魚のような手を這わせて

瓶底眼鏡越しでは無い、

沈みかけの上弦の月のような赤い瞳で直接見つめてそう言った。



「情報の種計画」に記された特記事項通りに

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