140話
嫌な予感がしたカーラインがフレデリックの意図を確認するために質問を返す。
「はぁ、お前の頼みってなんだ?まずはそれを聞いてからにさせろ。お前の頼みは怖すぎる。」
少し目を瞑った後何処か曇った笑顔を浮かべるフレデリック。
「いいよ。僕の本当の目的は■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。」
「はぁ?」
フレデリックの言葉に気の抜けた声しか出すことが出来ないカーライン。理解する為に眉をひそめながら考えるがフレデリックが話を続ける。
「まぁ、理解出来ないよね。でも、僕はその目的の為に動き始めてるんだよ。ちなみに言うと君を勧誘したのもその為だったりするね。」
少し間沈黙が流れる。フレデリックの言葉を理解するのを止めたカーラインがため息を付いた後フレデリックを睨む。
「……はぁ、お前の目的はわかった。百歩譲ってお前が神なのは信じるが何故、俺なんだ?」
「簡単だよ。君のスキルだよ。だって君ここで子供達を外部からの攻撃を無効化してるでしょ?」
パチンと指を鳴らしながら自信満々に答えたフレデリックの言葉に肩の力を抜きながら天井をみるカーライン。
「……よくわかったな。そうだ、ここを守ってんのは俺のスキル朽ちた幻想だ。」
「へー、君の勇者としてのスキルか。どんな能力なの?」
ワクワクした表情を浮かべたフレデリックを見て答えないという選択肢が無いことかな気がついたカーラインが悪態をつきながら答える。
「他人のスキルを聞くのはルール違反って知らねぇのか……まぁ、いい。能力は一定の範囲……っても町2つくれぇの範囲内に俺の魔力で出来た膜みていなもんで外からの攻撃を無効化する、それだけだ。以前は違ったんだがな。」
「そうなんだね。なら、なんで町ぐらいの大きさの結界にしないの?そのほうが沢山の子供を救えたんじゃないの?」
首を傾げながらカーラインに質問をするフレデリック。
「仮にだ。仮にそれだけ広げてパンパンになるまでガキを連れてきてもそいつ等が満足出来る量の飯を確保出来ねぇ。出来たとしてその人数を1人で見きれねぇよ。」
「なるほどね。まぁ、そうだよね。で、君は僕に為に能力を使ってくれる?」
何処か曇りのある笑顔を浮かべたフレデリックを見て目を瞑り考えると少し引っかかるところがあったのか片目を開きフレデリックに静かに尋ねるカーライン。
「……決める前に少し聞きてぇんだがいいか?」
「構わないよ。何?」
「さっきの話お前の仲間にしたのか?」
「してないよ。する予定もないし今のところ君にしかしてないよ。」
「……そうか。」
フレデリックの悲しそうな決意に満ちた表情を見てまた静かに目を瞑る。数分間考えていたカーラインがため息を着き目を開く。
「……はぁ、まぁいい。協力してやる。どうせこのままじゃ腐るだけだしな。ただ、後ででいい必ずアイツ等に話せ。」
「うん、何時かね。さて、協力するって言ったよね?ならこれを飲んで!」
赤い色の液体の入った瓶をカーラインの前に出す。
「……そう言えばこれ何か聞くの忘れてたな。」
「まぁ、飲めばわかるよ!」
「ちょ、待て、飲めねぇから」
グイグイとカーラインの頬に瓶を笑顔で押し付けるフレデリック。
「止めろ!!貸せ!!」
「あ、取られた。」
ウザかったのかフレデリックの手から奪い取ると蓋を外し一気に飲み干す。
「……」
「……」
飲み干すが何も起こらない。何も起こらなかった事が怖いのか自身の身体を念入りに調べるカーライン。
「……何のポーションだったんだ?」
「不老不死の霊薬だよ。試してみようか?」
「はぁ?っぐは!」
フレデリックの拳がカーラインの腹部を貫く。フレデリックが血が滴り落ちる手を引き抜くと貫かれたということが嘘のように傷が治る。
自身の身体が異形なものになったことを解したカーラインは頭を抱える。
「おお!こんな感じなんだね!どう、不老不死になった気分は。」
テンションが高いフレデリックをギロリと睨むカーライン。
「……ああ、最悪の気分だよ。はぁアイツラの同情的な目はこういうことかよ……」
「皆、失礼だよね?僕が何をしたっていうんだろうね?」
首を傾げながら被害者の前で被害者のように振る舞うフレデリック。
「よし、僕の用件も終わったし皆を連れて帰ろうか。」
「……色々言いてぇが無駄だろうし、行くか。付いてこい子供部屋はこっちだ。」
諦めたカーラインが隣の家に案内する。中に入ると既に全員が寝ている。布団を蹴っ飛ばして寝ている子供達を優しい目で見ながら小声でフレデリックに尋ねる。
「どうやって連れてくんだ?」
「分身を出すよ。まだ僕と複数の物を飛ばすのは自身がないからね。」
分身を人数分出すと起こさないように静かに抱えてフレイルに空間魔法で向かう。




