表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したけど俺だけゲームが違う。  作者: ヤマモトユウスケ@#壊れた地球の歩き方 発売中!
二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/76

第62話 『魂見月鏡』ゲットおじさん


 そして、翌日。

 テシ子達は意気揚々と遠征し、ところどころ破損した『05式魔導作業鎧』のぶっとい腕で鱗主の首を担いで帰ってきた。

 広場の冒険者達の喝采を浴びながら、テシ子は城の玄関で待っていた俺にひざまずいて、


「ただいま戻りました、我が主殿」


 誇らしげに、そう言った。


「怪我は?」

「小さな怪我はいくつか。……いえ、実際は骨折などもあったのですが、持たせていただいたポーションのおかげで、全く傷は無く」

「そっかそっか。よかったー。それじゃ、さっそく開拓の続きを……」


 と、指示をしようとしたところで、テシ子達四人が、何か物欲しげな顔でおじさんを見ていることに気づく。おもちゃ売り場で指をくわえている子供のような……。

 脇に控えていたコルンさんが「ケンゾー様、お褒めの言葉を」と囁いた。


〈領主としての振る舞いだよ、相棒〉


 ああ、なるほど。

 領主って、つまり上司だもんな。部下の成果はみんなの前で讃え、失敗は二人きりの時に指摘する――のが、いいんだっけ。おじさんはそんな対応されたことないけど。

 広場にいる冒険者や、少数ながらも存在する商人達に対して、おじさんが「いい領主だぞ」ところを見せないといけないわけだ。

 ともあれ、おじさんも膝をついて、テシ子の肩に手を置いた。


「よくやった。えらいぞ、四人とも。さすが俺の騎士達だ」


 テシ子達は嬉しそうに笑って、「もったいなきお言葉!」と四人でハモった。

 広場から、自然と拍手が湧き上がって、四人の騎士をたたえる言葉も飛んでくる。

 ……枯葉人になって、その信用が一度、地に落ちてしまった彼ら――彼女らがこうして賞賛されるのは、おじさんとしても嬉しい。もちろん、おじさんは被害者だったので、テシウス君だった頃の振る舞いには、今も眉をしかめるけれど、しかし、しかしだ。

 今や、彼女たちは我がイザヨイ領のメイド騎士……メイド騎士ってなんだ……? ともあれ、メイド騎士になったわけで、だったら、やはり家族の一員なのだ。

 彼女らにだけ聞こえる小声で、


「……これからも、開拓の難敵は君たちに頼ることになると思う。それ以外にも、商人とのやりとりだったり、冒険者との折衝だったり……。だから、よろしく頼むよ」


 と伝える。助けてもらわないと困るしな。

 テシ子は感極まった顔で「御意……!」と涙を流した。泣くほどか?

 ……まあともあれ、俺抜きで――武器は用意したけど――ティリクの森の鱗主という障壁を取り払うことが出来た。

 いよいよダークエルフ集落の跡地、発掘開始である。



 で、翌日。

 早速、現地に向かった作業員達(withパワードスーツ)によって、爆速で発掘が行われた。というか、


「発掘というほどのものではありませんでしたな。コルン殿には酷な話となるでしょうが、三百年という月日と鱗主によって、集落の大部分が踏み潰され……。かろうじて、井戸の痕跡のようなものだけが、発見できました」


 と、作業部隊を率いるテシ子が嬉しそうな顔で言う。

 コルンさんは「いえ、仕方ありません」と眉を八の字にした。


「地形だって変わっているでしょうし、ダークエルフの集落は樹上の木製小屋と天幕が中心でしたし。残るものは、ほとんどないでしょう。お疲れ様でした、テシ子さん」

「は。しかし、朗報もあります」


 テシ子がそう言って取り出したのは、布の包みだ。そっと開くと、中にはバキバキにひび割れた丸い手鏡が入っていた。コルンさんが「まあ!」と叫ぶ。


「『魂見月鏡』ですね! ああ、でも、やはり割れてしまって……」

「いや、そこは我らが主ならば、なんとか出来るのでは無いかと」


 テシ子が期待と信頼に満ちた瞳で俺を見た。


「そうだねェ……。ま、どれどれ……」


 『魂見月鏡』に触れてみる。大昔に星生みの女神様から与えられたというアイテムだ。もしかすると、おじさんには修理も新規制作も出来ない代物かもしれない。

 だけど、もしもクラフトツリーが解放されれば――。


「――うん、なるほど」

〈……どう? 直せそう? ま、まあ、駄目でもファビは、それを受け入れて、相棒の相棒として過ごしていくだけだから――〉


 ぽんぽんと鎧の胸あたりを叩く。


「大丈夫だよ、ファビ。――なんなら、もっとすごいの作ってやれそうだ」



・ブクマ

・感想

・下の☆☆☆☆☆で評価

・レビュー

・Xで読了ツイート


等々をしていただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ