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親友の弟で姉の親友のわたしたち  作者: りなる あい
第三章:

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3-2. 俺が見てるのはただ一人 

同じ場面の思輝視点です。

(✳︎思輝視点)


『思輝くん、やほ。

昨日は、美味しいパンをありがとう^^

今日もカフェで勉強する?

昨日のパンのお礼ができたらなって…!』


 このメッセージをもらって、俺の脳内は一瞬で答えを出していた。今日は綺夏がバイトの日なんだ!そんなこと一言も言っていないけど、会える!と直感した。


『今日もカフェで勉強してます。

終わるの待ってますね。』


 何時に終わるのかなんてわからないのに、こんなに危ういメッセージを送ってしまう自分に呆れそうになる。綺夏のことになると、こんなにも全力になってるよな…


 バイト、何時までなんだろう。でも、お礼がしたいって言うくらいだから、多分そんなに遅くならないはず…


 メッセージを送ってから、バイトがあるかどうかも知らないのに、勝手に待ってるなんて送って大丈夫か?と一人焦ったが、消さずにそのままにしておいた。もし俺の早とちりだったら、勘違いしましたって言えばいいやと思った。


 カフェに行くというと、クラスメートの橘も一緒についてきた。一人で勉強するより、声がかけられないかもと思ったが、予想外の人物を引き寄せてしまった。


 橘には同じクラスに彼女がいる。付き合いたてで、見てるこっちが恥ずかしくなるくらいラブラブのカップルだ。そして、橘には双子の妹がいる。男女の双子で同じ高校ってすごいよな…


 橘の彼女は、なんと橘の妹と一緒に登場した。結構積極的な子なんだよな〜…橘の妹だから、そんなに冷たくはできないし。


 4人で勉強していたら、橘と彼女が『休憩してくる』と言ってどこかへ行ってしまった。橘の妹と二人きりになるも、俺は勉強に集中していた。今日は、もしかしたら綺夏の話を聞くことになるかもだし、今のうちに勉強しておきたい。


「思輝くん、二人っきりになったね」


嬉しそうな声で笑顔で話しかけてきた。


「ゆみ、勉強しろよ〜」


 俺は顔を上げずにノートを見たまま答えた。以前、橘の妹に「ゆみ」って呼ぶように言われ、しぶしぶゆみと呼んでいる。


「ねぇ、わたしじゃダメなの?」


 そう言って不意にペンを持っている右腕に両手を添えてきた。


「ゆみは橘の妹だから、そんな風に見てないよ」


「クラスメートの妹とか関係ないじゃん。わたしを見てよ」


「それは難しいな」


 さりげなく右腕を抜いた。カバンからノートをとるフリをして。


 しばらくして、橘と彼女が戻ってきて、また4人で勉強を再開する。二人で勉強するはずが、こんな大人数になっている。幸い、話すだけの時間になっていないのが救いだった。




……




「ちょっと、参考書見てくる」


 そう言って橘と彼女は二度目の休憩で、本屋に入って行った。俺も休憩に行きたいけど、綺夏がいつ終わるかわからないしな…


 そんなことを考えていたら、


「思輝くん、わたしじゃダメ?ずっと片思いしてるのに」


 次は少し甘えた声でゆみから言われた。今日、この言葉を聞くの2回目だな。


「俺、好きな人がいるって言ったよね?」


「うん。でも、諦めきれないから」


 次の言葉は真剣なトーンで、ゆみは見つめてきた。ふと視線を感じて横を見ると、綺夏が歩いてこちらに向かってくるのが見えた。



「あ、剣さん。バイト、お疲れ様です」


やっと会えた!

笑顔が自然と溢れた。


「思輝くん、待っててくれてありがとう」


 少し控え目な声なのに、待っててくれてありがとうって、まるで彼女みたいな言い方だな…と、一人舞い上がりそうになる。


「いえ、俺が待ちたかったんで。さ、行きましょうか。」


 荷物をさっと集めて、カバンへ入れた。


「思輝くん、もう言っちゃうの?せっかく二人きりだったのに」


「俺は行くよ。約束してたから。ゆみ、またね。」


 最後、『ゆみ、またね』と言うことで着いてくるなよと言いたかった。


「さ、剣さん、行こう」


 流石にあとは追いかけてこないと思うが、早く綺夏と二人きりになりたかった。少し早めに歩いて、ここから遠ざかった。


 横に綺夏の姿がないと気づいて


「すみません。少し早く歩いちゃって。」


 気遣うように綺夏のほうに振り向いた。もう少し後ろを歩いているかと思ったら、意外と近くでぶつかりそうになる。トンと俺にぶつかり、髪の毛のつむじが見える。髪の毛も近くで見るとサラサラだった。


 あ、綺夏も俺があげた香水つけてるんだ。ふわっと香るベルガモットの香りが鼻をくすぐり嬉しくなった。


「ご、ごめんっ」


「俺もごめん。早くあの場から離れたくて…」


 健気に必死について来てたことが可愛いすぎた。


「うんうん、大丈夫。あ、あの、お礼のことなんだけど…」


 パンのお礼をされるかも?とは思っていた。もちろん、お礼目当てでパンを渡したわけではなけれど。


 俺が綺夏のために出したエネルギーが、また綺夏からお礼という形で回ってくる。こんな幸せなことはないと思った。その綺夏からの気持ちは、全力で喜んで受け取りたい。


「美味しいドリンクでもテイクアウトしない?なにか良いところ、知ってる?」


「うーん、そうですね…」


 正直、綺夏と一緒ならなんだっていいと思えた。ちょうど目の前にいいお店があるじゃん。


「あのドリンクとか、どうですか?」


「あ、わたしも気になってたんだよね。ベルギーチョコを使った生チョコドリンクのお店だよね」


「そう。俺も飲んだことなくて。それにしましょう」


 一緒に食べ飲みできるの、彼氏彼女みたいで嬉しいなぁ。あぁ、俺、完全に舞い上がってるわ…


「ご馳走様です」


 笑顔でお礼を言った。せっかくだから、二人でこの時間を共有したい。座れるところを探すことにした。平日の夜って、意外と二人が座れる席がないんだな…


「あそこのソファが空いてますね。剣さん、座ってください」


「わたしだけ座るの、なんだか申し訳ないな…」


 高校生男子を立たせるのが申し訳ないって、そんなわけないだろ…!そんな優しい綺夏を少しだけ困らせたいと思った。


「なら、俺が先に座って、剣さんは膝の上に座ります?」


 チョコドリンクを飲みながら、笑って聞いてみた。


「え?ひ、膝?!」


「冗談ですよ。剣さん、バイトで立ちっぱなしだったんですから、ソファ、座ってください」


「もう、大学生をからかうなー!変にドキドキするじゃん」


 ポコポコ叩くフリをする姿が愛しくて仕方ない。いじって可愛いって思っちゃってすみません。


「ドキドキした?それなら嬉しいな〜」


 高校生と大学生。生活の場は違うかもしれない。

 でも、青春の中で、今という時間を過ごせることがこの上なく幸せだった。


【潜在意識の視点から紐解く『第3-2話の答え合わせ』】


①「愛のエネルギー巡還」を叶える純粋な受容

パンの好意に対してお礼を受け取る姿勢は、まさに潜在意識の「出したエネルギーが回ってくる」法則そのものです。相手からの愛を恐縮せず素直に喜んで受け取ることが、循環のサイクルを大きくし、二人の関係をさらに深める現実をつくります。


②「迷いのない意図」が望む現実を引き寄せる

周りからのアプローチに流されず、「好きな人がいる」と意図を明確にし続けた思輝。ブレない軸で行動したからこそ、本命である綺夏との二人きりの時間や、彼女の心に届く特別なひととき(現実)を見事に引き寄せています!




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