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第23話 ダンジョン

 依頼報告を終えた後。


 リーゼ達はギルドの食堂で昼食を食べていた。


 オーク討伐。


 ホーンウルフ討伐。


 夏休みは順調だった。


「思ったより稼げますわね」


 リーゼが言う。


「討伐中心だからな」


 カイルが頷く。


 ルークもパンをかじりながら頷いた。


「学生にしては十分だろ」


「そうですわね」


 冒険者というのも悪くない。


 リーゼはそう思い始めていた。


 もちろん。


 魔法使いとしてである。


 その時だった。


「ねえ」


 ミーナが口を開く。


「なんですの?」


「ダンジョン行ってみない?」


 全員が止まった。


 リーゼも固まる。


「ダンジョンですの?」


「うん」


 ミーナは頷いた。


「初心者向けの浅い階層だけ」


 王都近郊には小規模ダンジョンが存在する。


 新人冒険者の登竜門とも言われていた。


「面白そうですわね」


 クラリスが目を輝かせる。


 ゴードンも頷く。


「経験になる」


 カイルも反対しなかった。


「確かにな」


 ルークは少し考える。


「危険は?」


「浅層なら問題ないだろ」


 カイルが答えた。


 全員の視線がリーゼへ集まる。


「なんですの?」


「どうする?」


 ミーナが聞く。


 リーゼは少し考えた。


 ダンジョン。


 冒険者。


 宝箱。


 未知の魔物。


 そして。


 経験値。


「行きますわ!」


 即答だった。


 全員が笑う。


 予想通りだったらしい。


「決まりですわね」


 クラリスも嬉しそうだった。


 すると。


 近くの席で食事をしていたベテラン冒険者が振り返る。


「ダンジョン?」


「はい」


 リーゼは頷いた。


「初挑戦ですわ」


 男は少し驚いた顔をした。


「学生だったよな?」


「そうですわ」


「初心者だよな?」


「そうですわ」


「前衛は?」


 全員がリーゼを見た。


「なんでですの?」


 リーゼは抗議した。


 男は笑う。


「いや」


 オークの件は既に有名だった。


「いるなら問題ない」


「誰がですの?」


 全員がリーゼを見る。


「だからなんでですの!?」


 リーゼは叫んだ。


 その時。


 ルークが真顔で言う。


「まあ」


「なんですの?」


「リーゼがいるなら大丈夫だろ」


 クラリスも頷く。


「そうですわね」


 ミーナも頷く。


「安心感あるし」


 ゴードンも頷く。


「ある」


 リーゼは頭を抱えた。


 最近ずっとこれだった。


 魔法の話にならない。


 全然ならない。


「わたくしは魔法使いですわ」


 念のため言っておく。


 大事なことだ。


「知ってる」


 全員が頷いた。


「なら結構ですわ」


 リーゼは満足した。


 その時。


 カイルがぽつりと言った。


「優秀なタンク魔法使いだな」


 リーゼは固まった。


 そして。


「そこが違いますわーーーーーー!!」


 ギルド中に悲鳴が響き渡った。

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