第22話 優秀なタンク
翌日。
リーゼ達は再び冒険者ギルドを訪れていた。
昨日の依頼報告である。
受付嬢が依頼書を確認する。
「ホーンウルフ二体討伐」
受付嬢は頷いた。
「確認しました」
依頼達成である。
リーゼは少し誇らしかった。
順調に冒険者らしくなっている。
その時だった。
「おい」
近くのベテラン冒険者が声を掛けてくる。
昨日オークの件で話していた男だった。
「また来たのか」
「来ましたわ」
リーゼは頷く。
「ホーンウルフ討伐ですわ」
「知ってる」
男は苦笑した。
「昨日オーク倒した翌日にホーンウルフだからな」
周囲の冒険者達も興味津々だった。
「学生なんだろ?」
「そうですわ」
「強いな」
リーゼは少し嬉しくなる。
やはり評価されるのは悪くない。
「優秀なタンクがいるからな」
男が続けた。
リーゼは固まった。
「タンク?」
「タンクだろ?」
男は不思議そうだった。
周囲も頷く。
「オークの棍棒受けたんだろ?」
「受けましたわ」
「無傷だったんだろ?」
「ほぼ無傷ですわ」
「タンクじゃねえか」
リーゼは天を仰いだ。
違う。
そうじゃない。
絶対違う。
するとルークが肩を竦める。
「俺もそう思う」
「ルーク!?」
味方がいなかった。
本当にいなかった。
さらに受付嬢まで頷く。
「確かに優秀な前衛ですね」
「受付嬢さんまで!?」
クラリスが微笑む。
「頼もしいですわ」
ミーナも頷く。
「助かってるよ」
ゴードンも頷く。
「助かる」
カイルも頷く。
「壁役最高」
リーゼは頭を抱えた。
感謝されている。
それは分かる。
だが。
方向性がおかしい。
「わたくし魔法使いですのよ?」
沈黙。
全員が顔を見合わせた。
そして。
「知ってる」
声が綺麗に揃った。
「ならどうしてですのーーー!!」
ギルドに悲鳴が響く。
すると受付嬢が書類を確認した。
「ちなみに」
「なんですの?」
「皆さんの依頼達成速度なんですが」
受付嬢は少し困った顔になる。
「かなり優秀です」
全員が驚く。
「そうなんですの?」
「新人としては異例ですね」
受付嬢は頷いた。
「普通なら怪我を恐れて慎重になります」
「はい」
「ですが皆さんは討伐速度が速い」
そこで受付嬢はリーゼを見る。
嫌な予感しかしなかった。
「安心して戦えるのでしょうね」
全員が頷く。
「そうですわ」
クラリス。
「助かる」
ゴードン。
「思い切って動けるしな」
カイル。
「安心感あるよね」
ミーナ。
「俺もそう思う」
ルーク。
リーゼは震えた。
「なんの話ですの?」
「リーゼさんです」
受付嬢が笑顔で答えた。
「優秀なタンクがいるパーティは強いですから」
リーゼは天井を見上げた。
そして。
「誰か魔法を見てくださいましーーーーーー!!」
ギルド中に悲鳴が響き渡った。




