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第17話 一学期成績発表

 一学期最後の日。


 生徒達は講堂へ集められていた。


「いよいよですわね」


 クラリスが呟く。


 今日は成績発表の日だった。


 実技。


 筆記。


 訓練。


 総合評価。


 全てを合わせた順位が発表される。


 リーゼも少し緊張していた。


 勉強には自信がある。


 実技も頑張った。


 問題は。


(前衛扱いされておりませんわよね?)


 そこだった。


 教師が前へ出る。


「それでは発表する」


 講堂が静かになる。


「まず班別成績」


 生徒達が息を呑む。


「第一位」


 少し間が空く。


「リーゼ班」


 一瞬。


 静まり返る。


 そして。


「おおおおお!」


 歓声が上がった。


 クラリスが目を輝かせる。


「一位ですわ!」


 ミーナも喜ぶ。


「やった!」


 カイルが拳を握る。


 ゴードンも頷いていた。


 リーゼも嬉しかった。


 当然である。


 自分達は頑張ったのだ。


 その時だった。


 クラリスがリーゼの手を握る。


「ありがとうございます!」


「え?」


「リーゼさんがいてくれたからですわ!」


 リーゼは照れた。


「そんなことありませんわ」


「あります!」


 ミーナも頷く。


「助かったよ!」


「そうですか?」


「うん!」


 リーゼは少し嬉しくなった。


 やはり仲間というものは良い。


 するとカイルも言った。


「お前が壁になってくれたからな」


「壁?」


 リーゼは固まった。


 嫌な予感がした。


「棍棒受けてくれたし」


「角も受けてくれた」


 ゴードンも頷く。


「安心して戦えた」


「待ってくださいまし」


 話がおかしい。


 非常におかしい。


 クラリスまで笑顔で頷く。


「本当に頼もしかったですわ」


「どの辺りがですの?」


「防御力ですわ」


 リーゼは天を仰いだ。


 感謝されている。


 感謝されているのは分かる。


 だが。


 方向性がおかしい。


「わたくし魔法使いですのよ?」


「知ってる」


 ミーナが頷く。


「火属性だしな」


 カイルも頷く。


「ファイア上手い」


 ゴードンも頷く。


「ですわよね!」


 ようやく分かってくれた。


 そう思った。


「硬い魔法使い」


 ミーナが言った。


「硬い魔法使いだな」


 カイルが言った。


「硬い魔法使いですわ」


 クラリスが言った。


「硬い」


 ゴードンが言った。


 リーゼは机に突っ伏したくなった。


 教師が咳払いする。


「続いて個人成績」


 講堂が静かになった。


「筆記試験一位」


 リーゼは少し姿勢を正す。


「リーゼ・アークライト」


 拍手が起きる。


「やりましたわ!」


 思わず立ち上がった。


 勉強した成果だった。


 魔法理論も満点。


 属性理論も満点。


 完璧だった。


 その時。


 教師が続きを読み上げる。


「なお実技評価」


 リーゼは笑顔になる。


「防御部門一位」


 嫌な予感がした。


「リーゼ・アークライト」


 講堂が沸いた。


 リーゼは固まった。


「おめでとう!」


 ミーナが拍手する。


「凄いですわ!」


 クラリスも拍手する。


「納得だな」


 カイルも頷く。


「当然だ」


 ゴードンも頷く。


 リーゼは震えていた。


「ちなみに」


 教師が紙を見る。


「防御評価は歴代新入生最高記録だ」


 講堂がさらに沸く。


「おおおおお!」


 リーゼはゆっくりと立ち上がった。


 そして。


「勉強の方を見てくださいましーーーーーー!!」


 講堂に悲鳴が響き渡った。

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