236 甘い誕生日ケーキ
素敵な歌の録音されたボイスレコーダーは後で母さんに貰うとしてだ。とりあえず歌が終わったのでロウソクの火を吹き消してから電気をつける。凄いな、市販品……じゃないよな。俺の琥珀センサーはこれを琥珀が作ったものだと認識してる。つまりこれは琥珀の手作りということだ。
「これ、琥珀が作ってくれたの?」
「うん、頑張ってみたよ」
えへへと笑う琥珀たんが可愛すぎる。素晴らしいケーキを本当にありがとう。
「ふふ、この日のために練習したのよね〜」
「そ、それは言わないでくださいよ〜」
そう照れる琥珀だが、これだけクオリティ高いということはそれだけ頑張ってくれたということ。本当に嬉しい。
「食べていいのかな?」
「うん!切り分けるね〜」
そう言って琥珀はわざわざ俺の分を少し大きくしてくれる。このプレートも琥珀がチョコで書いてくれたのか。凄いな。
「あっくん……あ、あーん」
……殺しに来てますね琥珀たん。俺を悶え殺して更に俺を惚れさせる気ですか?俺はもう琥珀にぞっこんだというのに更に好きになったら……うん、世界がヤバいね。まあ、世界なんてどうでいいか。俺は琥珀の食べさせてくれるケーキを口に入れると味わう。甘くて美味しいなぁ。琥珀の愛情が染み渡ってるよ。これが本物のケーキか。
「ど、どうかな……?」
「すごく美味しいよ。琥珀が食べさせてくれたのもあるけど、ケーキもお店のに負けてないどころか俺はこっちの方が好きだよ」
「えへへ……ありがとう、あっくん」
こちらのセリフだよそれは。お返しに俺も琥珀の分を取り分けて食べさせてあげる。琥珀は最初照れてたけど大人しく食べて美味しそうに頬を緩める。ふ、甘いものにチョロいなぁ。そこも可愛いけど。
「なんていうか、暁斗は本当に君に似たよね」
「そうかしら?」
「あのやり口完全に君のやつだよ」
向こうでもその言葉の後にイチャイチャがはじまるが、こちらの世界しか俺達には見えないので気にしない。あれだな、昔は父と母のイチャイチャに気まずかった時もあったが、こうして琥珀のことを好きだと分かってお互いに心を合わせると何となくだが母の気持ちが分かってしまう。親子って似るのね。そう思いながらケーキを堪能するのでした。
しかし、本当に美味しいなぁ。それ程ケーキ好きな訳でも嫌いなわけでもないけどこれはいくらでも食べられそうだ。琥珀が作るの大変だろうからお祝いの時だけだろうけど、楽しみが増えたな。そう思いながら家族との時間(?)は終わり、プレゼントをそれぞらから貰って俺と琥珀は部屋に戻るのだった。ちなみに父さんからはいつも通り、母さんからはボイスレコーダーと一緒に琥珀の調理風景の写真を貰った。この数年で一番嬉しいプレゼントになってしまったなぁ。まあ、この後が控えてそうだけど。




