234 琥珀と家族と誕生日を
「えへへ、びっくりした?」
そう笑ってくる我が愛しの琥珀たん。うん、驚いてるよこの可愛さにと尊さに。
「びっくりしたよ。そういえば今日は俺の誕生日だったっね」
「やっぱりあっくん忘れてたんだね」
「琥珀の誕生日は覚えてるんだけど、自分のはちょっとね」
そう言うと仕方ないと微笑む琥珀たそ。ギザかわゆす!
「ていうか、父さんまで早く帰ってるとは驚いたよ」
いつもは誕生日の日でも普通の時間の父さんがかなり早く帰ってきてるのには少し驚く。
「折角だしね。たまたま仕事も早く終わったしたまにはいいでしょ」
「まあね」
「あっくん、着替えてきてね」
「分かったよ」
ふと、後ろで「覗きに行く?」とからかう母さんの声が聞こえる。琥珀はめちゃくちゃ照れてやらないと否定するけど少し興味もある様子。俺の裸なんて面白いものは何も無いけど琥珀が見たいならいくらでも見ていいよ。そう思いながら手を洗って私服に着替えて居間に戻る。すると、机の上にはいつも以上に俺の好きな物が並んでいた。
「あっくんの好きなもの頑張って作ってみたんだ」
「嬉しいよ、ありがとう琥珀」
そう言うとてへへ可愛く照れる琥珀たそ。ご飯前にお腹いっぱいになるよ。
「えっとね、お腹いっぱい食べて欲しいけど、ほんのちょっとだけ残しておいてね」
「分かったよ」
ケーキだろうか?まあそのくらいは余裕だろうが琥珀の手作りは何でも完食が当たり前だし琥珀の料理は全部美味しいからなぁ。
「じゃあ、まずは軽く。誕生日おめでとう暁斗」
「おめでとう〜」
「ありがとう、父さん母さん」
そんな感じでとりあえず夕食となる。琥珀がいつも以上に張り切って作ってくれた夕飯はめちゃくちゃ美味しくて、さっきまでの琥珀成分の欠落が嘘のように満たされていく。それにしても本当に料理上手くなったね琥珀。半年前とは見違えるレベルだし、俺はマジで置いてかれるレベルだな。それも悪くないがそれなりに俺も琥珀との結婚後を見据えて多少は鈍らない程度には料理もやっていくとしよう。琥珀の妊娠中とか疲れてる時に作ってあげたいし、そのくらいの努力は当然。
「あっくん、どう?」
「うん、美味しいよ。琥珀の料理がやっぱり一番だね」
「えへへ。まだまだお母様やお祖母様には勝てないけど、そのうちもっと上手くなってあっくんにもっと美味しいの食べさせてあげるね!」
そうやる気満々な琥珀に胸がいっぱいになる。この癒しこそ琥珀の素晴らしさだなぁ。そう思いながら夕飯タイムを堪能するのだった。家族のお祝いの時間だが、琥珀にすべて持ってかれてるのは俺の心がそうだから仕方ないね。家族のお祝いも嬉しいけど、琥珀からのお祝いが一番嬉しいのはやっぱり琥珀のことを誰よりも深く重く愛してるからだろう。




