233 サプライズ?誕生日
琥珀の準備が大丈夫であろう余裕を持った時間を空けてから俺は学校を一人で出る。一人の帰り道。こんなに寂しいものだったのかと琥珀の存在の大きさを再確認する。きっと俺が琥珀を無意識に避けてた時、琥珀はこれ以上の気持ちだったのだろうと思うと胸が締め付けられるようで、同時に自分の愚かさを呪う。もっと前からやり直したかったなんて贅沢は言わない。だが、琥珀にこんな気持ちをさせていたと思うと本当に自分に吐き気がしてくる。
嘆いても仕方ない。後ろ向きなのは俺らしくないのかもしれない。そう思いながらも一人だとネガティブな感情が渦をまく。琥珀を救うと言いながら救われてたのはどっちだよと思うが今更か。何時だって琥珀は俺を救ってくれてる。支えてくてる。俺にとっての唯一無二で一番なんだよな。
「帰り道か」
そういえば、昔琥珀が言ってたな。『あっくんと帰る道はなんか違って見える』とか。あれは冗談でも何でもなく俺と一緒にいる時間を楽しんでくれてたのだろう。そう思うと琥珀は俺よりも大人だな。いや、違うか。そうならざるえなかったのか。俺がもっとしっかりしてて、もっと色々出来れば……琥珀はもっと違った形の幸せに巡り合えてただろうか?そこに俺は居るのだろうかと思うが、どんな形であれ琥珀が幸せなら俺はそれ以上を望まないだろう。
そんな綺麗事を言えればどれだけいいか。俺は欲深いから琥珀の隣を所望しちゃう。側にいて琥珀の幸せをみたいのは傲慢だろうか。
「ええい、情けないヤツめ」
ばしんと頬を叩いてシャキッとする。もうすぐ家だ。琥珀と会えると気分を変える。一人だとすぐ暗くなるのだから本当に俺はダメだな。そう思いながら家に着くと、玄関のドアに手をかける。ふむ、俺の琥珀センサーがビンビン反応してる。ドアの付近に待機してるな俺の琥珀は。これはあれか、帰ってきてすぐのサプライズとかに備えてる感じだろうか。なるべく驚いた様子をみせないとな。そう思いながらドアを開けて中に入る。扉を閉めた時だった。
「あっくん、誕生日おめでとう〜!」
そんな琥珀の声と共にクラッカーが鳴る。なるほどそう来たかと思いながら驚く様子を見せると満足気な琥珀たん。可愛い反応をどうもと更にお礼を言いたくなるが、それにしてもこんな感じで自分の家で琥珀に誕生日を祝ってもらうのは初めてかもしれないと嬉しくもなる。不思議な程、これまでにないくらいには誕生日というものに関心が向いてる気がするが、すべて琥珀のお陰だろう。本当にありがとう、琥珀。そう思いながら照れた様子を見せつつ靴を脱いで琥珀と共に居間に向かうのだった。それにしても少し離れてただけなのにこんなに愛おしいとは……琥珀たん可愛すぎ!




