229 プレゼント選び
暁斗の誕生日まで残り少し。その日は休日ということで朝から琥珀と黒華はプレゼント選びに出掛けていた。
「琥珀としては何かあげたいものあるの?」
「うんとね、あるんだけど悩んでるんだ」
「へー、なになに?」
「そ、それはここではちょっと……」
そう笑う琥珀だが、無理に聞くことはせずに色んな店を回る琥珀と黒華。年頃の男子中学生の彼氏へとプレゼントということで少し調べてもみたが正直暁斗なら琥珀からのプレゼントであればそれこそただの拾った石でさえ家宝にしそうだと思う黒華なのだが、琥珀と色々見て回るのは楽しいし野暮なことは言わないでおく。
「そういえばさ。二人って幼馴染でしょ?これまではプレゼントどうしてたの?」
お昼を食べて午後の探索前にデザートを注文したタイミングでふとそんな事を聞く黒華。
「うんとね、小学校4年生までは送りあってたよ」
「え?五年とか六年は?」
「その時期は……あっくんとあんまり話せなかったの」
少し寂しそうにそう笑う琥珀。その割に中学に入ってすぐに付き合ったと聞いたが黒華としては益々あの腹黒の気持ちが分からなくなる。理解する気もないが。
「四年までは何貰ってたの?」
「毎年色々だったよ〜」
一転して嬉しそうにプレゼントの内容を話す琥珀。暁斗からのプレゼントの詳細を全て覚えていて、しかも今でも宝物にしていると聞いて凄いなと純粋に思う黒華。
「あっくんね。毎年絶対私にプレゼントくれたの。あっくんからした貰えなかった時がほとんどだったけど、私それがすごくすっごく嬉しかったの」
そう微笑む琥珀。自分とは違った意味で大変そうな琥珀はそれでもこうして幸せそうに笑えてるのだから本当に琥珀は大したものだと黒華は思う。
「まあ、琥珀からの気持ちのこもったプレゼントが一番今泉は嬉しいでしょ」
「そうかな?でも、あっくんに喜んで欲しいから頑張るよ」
むんと可愛く張り切る様子を見せる琥珀に微笑んでいると注文したデザートがやってきた。甘いもので別腹を満たしてから再度午後に探索に出掛けて、琥珀は黒華と一緒にプレゼントを選んだ。好きな人の誕生日プレゼントを真剣に選ぶ琥珀の様子はまさに恋する乙女のそれで、少し羨ましいとさえ思った黒華だが、単純にこの親友には幸せになって欲しいと思うのだから黒華史上では類を見ないくらいに琥珀を気に入っているのだろう。
(まあ、きっと私の生涯で唯一になり得る親友だものね)
向こうは分からないが黒華としてはきっと琥珀以上の親友は出来ないだろうと思うのだった。それでもいいし、それも悪くない。それくらには黒華は琥珀のことを親友として好きなのだろう。言葉にはしないだろうが。
(恥ずかしいもの)
そんな黒華の気持ちを知ってか知らずか嬉しそうにプレゼント選びに付き合ってくれたお礼を言う琥珀に頑張れと密かにエールを送る黒華だった。




