226 おすそ分け
毎年のみかんの消費はうちだけだとそんなに多くはない。でも何だかんだ配ったりしてると無くなるのだから不思議だ。ただ今年は去年よりも多いようなんだよね。琥珀のために張り切ってくれたのだろうか。嬉しいがあまり多すぎてもなぁ。
「あっくん。黒華ちゃんにもおすそ分けしていい?」
そんな可愛いことを聞いてくる琥珀。すっかり仲良しで微笑ましいものだ。
「いいよ。どうせだったら早めに渡した方がいいか」
「それもそうだね〜。黒華ちゃんに聞いてみる」
そう言って電話をする琥珀はすぐに「今からでも大丈夫だって〜」と言う。ふむ。丁度浪川の親父さんに用事もあったし都合いいか。
「じゃあ、今から行くって伝えておいて」
「あっくんも来てくれるの?」
「琥珀と一緒に居たいだけだよ。それと浪川の親父さんに少し用事もあるし」
「えへへ、わかった。ありがとう、あっくん」
浪川の家は大所帯だし三箱くらいなら大丈夫か。そう思ってみかんの箱を三つ重ねるが流石に多少嵩張るな。まあ、浪川の家までなら余裕かな。そう思って琥珀と用意して二人で出かける。
「あっくん、重くない?」
「大丈夫だよ。琥珀は大丈夫?」
「私は軽いから大丈夫だよ〜」
そう言って数個ほどみかんの入った軽めの袋を持ち上げる琥珀。三箱はそこそこ重量あるが鍛えてるのでこの程度なら普通に持てるし浪川の家までなら余裕だろう。
「ん?琥珀どうかした?」
「あ、えっとね……あっくん力強くてカッコイイなぁ……って思って……えへへ」
そう言って嬉しそうに微笑む琥珀。くぅ〜可愛すぎ!
「このくらいはね。琥珀もせっかくだし俺に肩車とかおんぶしてく?昔は遊んでおんぶとかもしてたっけ」
「はぅ……それは嬉しいけど私ばっかり嬉しすぎだよぅ……」
「そんな事ないよ」
俺にとって琥珀と触れ合うのは最高のご褒美だし。
「あっくんは優しすぎです」
「そうかな?」
「えい!」
そう言って俺の腕に抱きついてくる琥珀。ダンボールのせいで少しいつもより柔軟に動けないが琥珀は「そんな所も大好き」と嬉しそうに抱きついてきてるので俺は最高に良い気分です。浪川におすそ分けやめてデート行きたいくらいだ。なんなら家戻ってこのままイチャイチャもいいな。ダンボールの重さなど全くアウトオブ眼中になりながら琥珀の抱きついてきた腕の幸せに包まれながら浪川の家に向かったが、ダンボール三箱を持って可愛い彼女に腕に抱きつかれてる姿は他の通行人にそれなりに奇異に写ったことだろう。俺は気にしないし琥珀も俺の様子にめちゃくちゃ嬉しそうで気づいてない。そんな所も可愛いよ。




