217 休み明けの約束
風邪が治り、琥珀は暁斗と登校してきた。それを見てメールで大丈夫と知っていた黒華も少しホッとする。
「琥珀、もう大丈夫なの?」
「うん、黒華ちゃんメールありがとうね」
「いいのよ。むしろ辛い時にメールして少し反省」
「そんな事ないよ。凄く嬉しかった」
そう笑う琥珀は少しスッキリした顔もしていた。
「琥珀、今泉と何か良い事あった?」
「ふぇ?」
「いや、ごめん。なんかそんな気がして」
「えっとね……あっくんが昔みたいに看病してくれたんだ」
そう嬉しそうに話す琥珀。
「今泉って昔からああなの?」
「うんとね。小さい頃のあっくんは、今よりも活発だったよ〜。でもね、凄く頼りになっていつも私を助けてくれたの」
「今のあっくんも昔のあっくんもカッコよくて好き〜」とはしゃぐ琥珀にやれやれと肩をすくめる黒華。
「まあ、琥珀が元気になって良かったよ」
「えへへ。あっくんと黒華ちゃんのお陰だよ」
「私は何もしてないわよ」
そう言うが黒華は琥珀が風邪と聞いて、メールをするかどうかすごく迷ってから色々書いては消してをしてなんとか普通のメールを送ってたり、『お見舞いは迷惑かも、でも風邪で物を贈るのも……ううん……』とめちゃくちゃ悩んだりしたのだが、それは黒華とそんな黒華の様子を見ていた父親しか知らないのだった。
「ていうか今泉看病なんて出来たんだ」
「得意だよ〜」
一応琥珀の話で黒華は看病の様子を聞いたが、少し琥珀側が恥ずかしがって濁したりもしたので所々分からない箇所もあった。だが、休んでまで色々やってたのは理解出来た。
「あのね、黒華ちゃん。今度付き合って欲しいんだけど」
「プロポーズ?今泉じゃなくて私に乗り換えるの?」
「ち、違うよ〜。黒華ちゃんは好きだけど親友だもん〜。それに私はあっくん一筋だから」
そう照れる琥珀に「でしょうね」と笑う黒華。少し前までは変な先輩女子に少し付きまといもされていたのでこういう琥珀のような存在が癒しとなっていた黒華だった。
「それで?遊びに付き合って欲しいってこと?」
「あ、ううんとね、少し違くてね」
琥珀は少しキョロキョロしてから、黒華にだけ聞こえるように「あっくんの誕生日プレゼント、選びたいの」と囁く。
「近いの?」
「うん、今月の20日だよ〜」
少し猶予があるが割と近いと思う黒華。
「分かった。付き合うよ」
「ありがとう」
「今泉なんてどうでもいいけど、琥珀が頼ってくれたのに答えないのは親友失格だもん」
「そ、そんな事ないよ〜。でも嬉しい」
そんなやり取りしてから出かける日を決める。絶対暁斗には行動がバレてるだろうと思う黒華だが、逆に自分の誕生日を忘れてるのでは?とも思う。あの手のタイプにはたまにあるが誕生日を忘れてることがあるということが稀にある。暦上というか書類的なもので数字は覚えてるのに必要な時だけ思い出すので日常生活で忘れてるのだろうと、似たようなタイプと嫌々ながら思う黒華はそう思った。




