214 琥珀を看病
学校に休む連絡を入れる。琥珀のクラスの担任はうちの担任が何とかしてくれるしそれ程問題ではないが電話口の担任が『普通恋人だろうと中学生が看病で休むなんて電話は受けないんだがな』とボヤいていたが、仕方ないのだから仕方ない。琥珀は悪くないし俺も悪くない。いや、俺は悪いか、琥珀の体調の変化には気をつけていたのに今朝になってから異変に気づいた。今後はもっと琥珀のことを見るようにしよう。
流石に朝は食べられなさそうだったので、汗を拭いて汗で濡れたパジャマを着替えさせて俺のベッドで寝てもらう。それとこまめな水分補給も。
「あっくん、ごめんね……」
「いいんだよ。ゆっくり休んでよ」
琥珀が謝る必要は何もないのに琥珀は凄く申し訳ないという顔をして今にも泣きそうだ。ふと、昔のことを思い出す。前にも似たようなことあったっけ。
「あっくん……私、いつもあっくんに迷惑……」
何か言おうとする琥珀の手を俺はゆっくりと優しく包み込む。
「大丈夫。琥珀が寂しくないようにこうして寝るまで手を握ってるから。だからゆっくり休んで元気になってよ。俺は琥珀の元気な顔見たいんだからさ」
「あっ……それ……」
そう呟いて琥珀は「ありがとう……」と俺の手を握って眠る。本当に琥珀は自分を責めすぎている。いつだって自分を押し殺してなんでもないフリをして笑う。それを気づけない俺は大馬鹿者だが、二度はない。今度こそは絶対琥珀を守る。
琥珀が起きたのはそれから半日後。お昼をすぎた頃に琥珀は目を覚ました。
「あっくん。おはよう……」
「琥珀、気分はどう?」
「えへへ、だいぶ良くなったよ〜」
そっと額に手を当てる。確かにさっきより熱は下がってるな。
「何か食べられそう?」
「少しなら」
「じゃあ、ゼリーにしようか。桃のゼリー好きだったね」
「ありがとう、あっくん」
さっきの間に買いに行っておいて良かった。そう思いながら冷蔵庫からゼリーを取ってくると琥珀に食べさせてあげる。
「はい、あーん」
「あーん……もう、一人で食べられるよ〜」
「嫌だった?」
「……嬉しい」
そう微笑む琥珀。熱は大分下がってるが今日一日、明日も出来れば安静にしたいところ。濡れたパジャマを着替えさせて汗も拭く。水分補給もこまめにを徹底するが、今の俺ほど煩悩から遠い人も居ないだろう。いつもなら大興奮のはずの琥珀のあれこれをなるべく見ずに琥珀のできる範囲で手伝う。俺の煩悩?そんなもの琥珀の健康には変えられない。なるべく見ないようにはしてるけど、それでも少しは見てしまう。琥珀の白い肌に胸はやばくなるがそれらを鉄の理性さんと俺の心からの琥珀への心配と元気になって欲しいという気持ちが打ち勝つ。もう一眠りする琥珀の傍で俺はまた寝るまで手を握ってあげるが、本当に琥珀はこれで落ち着くよね。あの時と一緒だ。そう昔を思い出して思わず微笑む。元気になって欲しいよね。




