211 焼き芋
『いしやーきいもー。おいもー』
外から馴染み深いフレーズの歌が流れてくる、家の中にいても分かるのだから本当に凄いなぁと思いながら、琥珀に視線を向けると同じように視線があった。
「あはは……これいつも反応しちゃうね」
その微笑みが可愛い。
「せっかくだし買ってこようか」
「私が行くよ〜」
「じゃあ、二人で行く?」
そう聞くと嬉しそうに「うん!」と頷く琥珀たそ。可愛すぎて思わず抱きしめたくなるけど、イチャイチャしてたら多分焼き芋カーが通り過ぎていくので上に少し羽織ってから財布を持って、二人で外に出る。
「お、暁斗くんに琥珀ちゃんか!大きくなったな〜」
「おじさん、久しぶり」
「お久しぶりです」
焼き芋カーのおじさんは見たことある人だった。琥珀とよく遊んでた頃に何度かこの人から焼き芋を買ったことがあるが、まだ現役だったか。
「中学生くらいか?買いにこなくなったから焼き芋嫌いになったのかと思って寂しかったよー」
「色々ありまして」
本当に色々ね。
「それよりも焼き芋くださいな」
「はいよ。オマケしてくね」
そう言ってアツアツの焼き芋を包んで袋に入れてくれるおじさん。
「そういや二人とも中学生ってことはそろそろ付き合ったりしてるの?」
「はい。ラブラブカップルですよ」
そう言うと琥珀が照れながら頷く。可愛い。
「そうかい!そりゃ良かったよ。ならさらにサービスしないとな」
そう言って少しオマケしてくれたおじさん。こんなに食べれるかな?まあ、父さんや母さんに渡してもいいか。
「ありがとうございます」
「いいってことよ。暁斗くんちょっと」
そう呼ばれて、俺だけ連れて琥珀から少し離れるおじさん。
「なにか?」
「いや、なにただのおっちゃんの安堵を伝えようと思ってな」
「安堵?」
「琥珀ちゃんちに入っていった男に見覚えがあってな。悪い噂が多かったから少し心配だったんだが……暁斗くんが着いてるなら心配なさそうだ」
「ええ、大丈夫ですよ」
琥珀は必ず俺が守るからね。それにしても顔に似合わず良い人だな。
「おじさん」
「ん?」
「また、二人で買いに来るよ。元気にやってね」
そう言うと、おじさんはニヤリと笑って楽しそうに俺の肩を叩いて仕事に戻った。
「お話終わったの?」
「うん、大丈夫。帰って食べようか」
「うん!」
嬉しそうな琥珀と手を繋いで一緒に家に戻る。焼き芋は久しぶりに食べたけど、秋の名物士だなぁと思いながら甘い焼き芋を琥珀とイチャイチャして甘々な空気で食べる。昔はイチャイチャではなくほんわか食べてたが……琥珀とならこんなに焼き芋も美味しいのだなと少し感動もした。ありがとう、琥珀。そう思いながら気持ちを伝えてさらにイチャイチャ。琥珀たそ可愛すぎ!




