205 紅葉
琥珀とのデートの日。せっかくなので紅葉が綺麗な公園に向かう。もう時期葉が散り寂しくなるのだろうが紅葉の時は何故にこうも綺麗なのやら。
「うわぁ……凄いね〜」
鮮やかな紅葉を見て琥珀がそんな声を漏らす。たしかに凄い。何を着ても可愛い琥珀たそは。秋に変わりコーデも変わってきたが、浪川の影響か、母さんの影響か、はたまたクラスメイトにも刺激されてるのか、琥珀は日々私服のセンスも良くなってる。元々良かったものが年頃らしく磨かれてる感じがとても素敵です。
「琥珀、写真撮ろうか」
「うん!」
せっかくなので紅葉をバックに二人で写真を撮る。自撮り棒?ないない。あるかもだが携帯用のやつは見たことないかな。とはいえ携帯で撮るにもコツさえ掴めば多少難しくてもそれなりには撮れる。少し手を伸ばして疲れるけど琥珀のためなら惜しくない。
「あっくん、待ち受けにしていい?」
「いいよ」
そう言って俺もピッピと携帯を弄ってさっき撮ったのを琥珀の携帯に送ってから今の待ち受けの琥珀とのツーショット写真を……断腸の思いでなんとかさっきのツーショットへと変更。これもいいね。そう思ってゆっくりと送られてきた画像を待ち受けにしようと携帯を弄る琥珀に俺の携帯の待ち受け画面を見せると、琥珀は「えへへ」と嬉しそうにはにかむ。可愛すぎか!
「またあっくんとの思い出増えたね」
そんな可愛いことを言う琥珀。
「紅葉っていえば、琥珀覚えてる?昔琥珀が紅葉を見て……」
「そ、それは忘れて〜」
幼馴染として共に時を過ごしてるので、思い出は色々ある。良い思い出も悪い思い出、どれも含めて俺たちの思い出だ。前の……琥珀を失った俺にはどれも眩しすぎたけど。なぜあの時俺は気づけなかったのか。後悔と自身への深い嫌悪が湧いてきて己を責めて責めて……そして全てが真っ黒な闇に染ってる気さえしたあの地獄。
結局、やり直してるのかさえ俺には分かってない。祖母も恐らく俺と同じ体験をしてそして幸せになった。だとしたら俺はまだ琥珀を幸せに出来るチャンスがあるのかもしれない。考えすぎで考えてしまうこともあるが、それよりも今はだ。
「琥珀。来年も紅葉見に来ようか」
そう言うと琥珀は嬉しそうに頷く。手を繋いで恋人繋ぎで紅葉の道を歩いてく。散っていく紅葉の葉っぱに不思議な哀愁よりも来年も会えるといいと思えてるあたり俺も少しはマシになってきたのかもしれない。クズみたいな俺だけど、琥珀と接してる時は全てを忘れて本当の自分に戻れる。繋いだ手に嬉しそうにしてる可愛い恋人を見ながらもっともっと幸せにしたい。そう思う秋の日のデートでした。琥珀の可愛さは無限なのだろうなぁ。




