201 二学期中間テスト
琥珀とイチャイチャしながらテスト勉強をしていたら、あっという間にテスト当日となった。今回もどの教科も割と時間を残して見直ししてもお釣りが来るくらいには早く終わったのだがテスト中の不思議な空間は嫌いじゃない。
シャーペンで問題を解く音、消しゴムの音、授業中よりも外の音がクリアに聞こえる感じ。監督の教師は人によってその様子も違うが決まって川藤達問題児をよく見張ってるということ。どうでもいい事だが暇つぶしには多少なる。これで琥珀が俺の前の席だったらなぁ。せめて同じクラスだったらと思う。
琥珀が前の席だったらずっと眺めてられる自信あるな。可愛い後ろ姿を見守るだけほっこりするし。その琥珀はきっと今も頑張ってることだろう。俺に出来ることは全部やった。琥珀とのテスト勉強が少しでも琥珀の役に立ってればいいが……イチャイチャしてた記憶が大半を占めてるのは俺の琥珀への補正のせいだと思う。
チャイムがなって最後の科目が終わる。プリントを回収して教師が出ていくとクラス中騒がしくなる。
「くぁー!ムズすぎ!」
川藤がそう吠えた。うるさいヤツだなぁ。
「なぁなぁ、暁斗。前に漫画でカンニングを上手くやったら合格の試験ってあったじゃん?」
「有名漫画だね」
今も連載してるけど、前の俺の時は連載終わってたか。結末まで知ってるし続編出ることも知ってるがこの時はまだ絶賛連載中だったか。琥珀を失ってたのにそんな事ばかり知って本当に最低最悪な気持ちになったが、一度読んでるのである程度内容を覚えてるからもう一度買う必要がないのは有難い。面白いのやお気にいりは揃えたい気もするけど、それはある程度余裕がある時でいい。というか出来ればそういうの琥珀に使いたいんだよね。
「あれ次やってみないか?」
「カンニング示唆は立派な犯罪だよ」
「いいじゃん。暁斗テスト余裕だし暇つぶしってことで」
「ほう。俺が来てるのによくそんな話が出来るものだな」
「げっ!」
入ってきた担任がクラス名簿でアホをパシンと叩いてスタスタと教壇に向かう。次は掃除の時間でその次が帰りのホームルームのはずだが。
「最近、掃除中に野球してる不届き者がいてな。見張ってるからちゃんとやれよー」
お前のせいかよとクラスの視線がアホに向かう。そのアホは「そんな素晴らしい生徒がいるとは……いい学校じゃないか」とかアホなことを言ってたが、誰かの投げた消しカスが川藤の髪に付いたので思わず笑いそうになる。テストの日でもうちのクラスは平常らしい。そんな事よりも琥珀に会わねば!




