199 文化祭終了
午後のステージ発表は吹奏楽部がなかなか良かった。琥珀の天使の歌声には劣るのは当然だが、それ抜きにしても普通に大会常連なだけはある。そんなこんなでステージ発表は終わり、クラスに戻って展示の片付けの時間になった。
せっかく完成させたものの、二日の命。
「破壊とは無常だよなぁ」
「いいから手伝えっての」
俺が心の中で思ってたのを続けられて思わずサボってる川藤にツッコム。
「いやさ。よくね壊さなくて」
「そうしたいけど、置き場に困るし移動も無理だから仕方ない」
誰も好き好んで作ったものを壊したいわけではないが、残しておけない理由があるのだから仕方ない。
「供養してやらんとな」
「命宿ってたか」
「そりゃ、俺たちの子供だろ?」
「川藤……」
「ん?」
「背中に気をつけろよ」
「誰かー!ここに殺人鬼がいますよー!」
うるさいボケ!気持ち悪いこと言うなよ!俺は琥珀と子供作るからこれは子供じゃねぇしお前とは死んでもごめんだよ馬鹿野郎!
「しっかし。中学の文化祭ってどこもこんなもんなのか?」
「良いところはしっかりしてるでしょ」
飲食とかは許可関係が面倒だとも聞いたな。一般人が学校に入るのも生徒が居る間は何かあっても責任問題になるし警備も大変。大人とは大変なものだ。
「決めたぜ!中学は良いところ行く!」
「進学しろよ」
なんで義務教育で留年してるんだよ。
「ていうか、甲子園出るんでしょ?」
「そうだった!強いところからスカウトくるかな?」
「努力次第でしょ」
才能は間違いなくある。俺ではどのくらいのレベルかは測れんが。あとは本人のやる気とアピールと実績次第だろう。全国出てる防御率高い選手ならスカウトの目も向くだろうし……って、なんで俺はこいつのためにこんな事を考えてるのやら。
「川藤」
「なんだ?」
「俺さ試したいことがあるだ。引き受けてくれるか?」
「た、試したいこと?」
ごくりと緊張した様子でシリアス顔で息を飲むアホに……俺は頷いて言った。
「人間ってさ……どこまで捌いたら死ぬんだろうな」
「ここにシリアルキラーがいますよー!殺されるー!」
「ひぃー!」とオーバーリアクションする川藤だったが、「サボんな!」と女子に叱られて「すんまそん!」とあっさり手伝う。最初からやれよ全く。
そうして何とか片付けを終えて、今年の文化祭は幕を閉じた。結局昨日が一番楽しかったな。来年はもっと楽しめるだろう。そう思うことにして今年は今年で満足する。なんにしてもだ。流石に疲れたし早く帰えって琥珀とイチャイチャしてからゆっくり寝よう。ていうか、ここからほとんど間を開けずにある中間テストは鬼では?まあ、頑張るしかないな。




